あなたside
次の日母と2人で病院に行ってみた
すると医師はちょっと目を見開いたかのように見えた
すぐにさまざまな検査が行われた
医師:「大変申し上げにくいのですが。
あなたさんは______」
ドンッと頭が撃ち抜かれたような気分だった
泣き叫んだ
泣き叫んで泣き叫んで泣き叫んで泣き叫んだ
_とかはなくて
『あなたさんは
膵臓がんです』
あ、そうなんだという感じだった
軽く友達とどっか遊びにでも行こうみたいな
それにいいよと答えるような軽やかさで
あなた:「そうなんですか」そう答えた
あなた母:「え?娘が?癌?膵臓?うそ……」
母は落胆していた
あなた:(あ、でもどうしよ。倫太郎になんて言おう)
倫太郎side
今日は部活もない
暇だ
あなたに電話しようか。
あ、今日は病院に行くんだっけ
あ、あなただ。
あなたside
_____________________
倫太郎
_____________________
どうしよう。
病院にいた時は素直に言おうと思ったのに。
涙が止まらない
そして思わず_____
そう送ってしまった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。