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第1話

1…変わり果てた私たちの街
24
2020/03/03 15:18
華side
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ヴィーン ガチャ ガチャ ガチャ ガチャ

鳴り響く機械音で目が覚める。

華)ん…。

ここは…東京…なのか?
広がるのは荒地と化した東京の街。

華)そんな…。

ただ呆然と見つめる。
息をする度、埃っぽい嫌な匂いが鼻をかすめる。
少し歩くと先で誰かが倒れていた。

華)な、なぁ。起きろ!大丈夫か?
☃)う…。
華)大丈夫か?
☃)こ、ここは…?
華)東京だ。荒れてるけどな。
☃)え…。そんな。
華)私は華。アンタは?
航)俺は航輝。航輝って呼んで。
華)ん。

ピンク髪の青年はこんな状況でも笑顔を見せている。

華)なぁ、なんでアンタはこんな状況で笑えんの?
航)華さ、口悪いね~。
華)質問に答えろ。余計な話はいらねぇよ。なんで笑えんの?
航)だってさ、みんな真顔だったら暗くない?俺そんなのやだもん!

不思議な人。
こいつとは合わねぇな。
そう思った。

♛)人だ!!人がいる!!
♕)ほんまや!
華)は?

そういって駆け寄ってくる2人の青年。
大学生くらいだろうか?

航)もしかしてここに迷い込んだ人ですか?
♛)うん!仲間を探してたんだ!
♕)せやねん。こいつと2人は嫌やからな。
♛)一言余計だぞ!
♕)あ?
華)うるせぇ。アンタら、名前は?
♛)あ、俺は啓介!こっちは…
♕)愛翔。呼び名も愛翔でええ。

啓介と愛翔。
2人は知り合いなのか。

卍)うわぁぁぁぁ!!

遠くから聞こえてきた叫び声。
私達は急いで声のする方へ向かう。

卍)こ、これ…!
愛)なんやねん。仲間ちゃうんか?
啓)起きて!ね…え?

啓介の手は真っ赤に染まっていた。

啓)う、うわぁぁぁぁ!!あぁ…あぁ…!
愛)紫耀!落ち着け!

啓介はパニック状態に陥る。

航)死ん…でる…の?
華)あぁ。そうみたい。

その女性は全身を血で赤く染め、笑みを浮かべていた。
まるで、幸せを噛み締めているかのように…。

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