ーなつぴょん視点ー
俺と瀬戸はじっと静かに見つめ合う。
(気まずい)
そう、感じた俺は間違えてないだろう。
俺は勇気を出して声をかける。
と、素っ気なく返されてしまう。
ハッチャン曰く彼は人と話すのが苦手らしい。
だから、「コミュニケーションを上手く取れなかったりするから決して怒ってたりつまらないとか思ってないから気にしてやんな。」って言ってたからこの空間に耐えられるが普通なら耐えられない。この沈黙。
すると、今度は瀬戸さ…瀬戸の方から声をかけてきた。
何て、テンプレートのような質問なんだろう。
そんなことを思いながら、ちょっとその様子が可愛く感じ頬が緩んでしまう。
と、答えると
と、話し出す。
少し考えた素振りをしたあと瀬戸は急に俺の手を掴んできた。
と、言いながら俺を共同スペースの方へと連れていく。
そう、聞くも瀬戸は無言のまま。
そして、共同スペースに着き少し広くなったスペースに瀬戸が立つ。
と、言われ俺は瀬戸の隣に立つ。
すると瀬戸は手を自分の前に出す。
その手からなんと、水が溢れ出す。
その水は生きているように自由に動き何やら1つの物になろうとしている。
瀬戸の能力なのだと理解する。
とても、綺麗でついつい見とれてしまう。
能力なんて目の前で見るのは初めてた。
すると、水は少しずつ見覚えのある形になっていく。
目の前には、水でできた透明の綺麗なグランドピアノの姿があった。
そう言って瀬戸はかけていた眼鏡を外す。
そして、眼鏡を持つ手とは逆の手の指でそのピアノに触れる。
すると、そのピアノは透明から少し水色がかった色に変化した。
そう。目の前にあった水でできたピアノは氷でできたピアノへと変化していた。
と、言って出来上がったピアノを見ている。
と、言いながら瀬戸はソファーに腰掛けた。
俺は本当に良いのだろうかと戸惑いながら恐る恐る氷でできた椅子に座る。
意外にも冷たくなくびっくりする。
俺はピアノと向き合う。
そう、呟き俺は鍵盤に指を落とす。
久しぶりに弾くピアノはとても楽しかった。
鍵盤の上を滑らかに動く自分の指。
音と一体化しているように感じる身体。
全てがとても愛おしいと思った。
とても、楽しい。
そんな風に思って弾いているとガチャりと扉が開いた。
そこには、血だらけになったポン酢さんとみさとらんがいた。
と、俺は驚きの声をあげる。
俺は瀬戸の方を見たがさっき座りに行ったはずのソファーにはいなかった。
と、ポン酢さんは何も無いように聞いてくる。
と、俺はまずそこにツッコミをいれる。
と、みさとらんが笑う。
目の前の2人を見て、本当に危険なことなのだと思わされる。
本当に、ポン酢さんは頼れる先輩だなと改めて思う。
そう言うと2人は驚いたように目を開けた。
と、何やら漫才のようなやり取りをするふたりを見てやはり2人は息が合うのかなと思う。
そんな風に思いながら2人のことを見ていると2人と目があった。
と、また2人は息を合わせたように頷く。
何でと聞きたかったが、2人の様子から瀬戸が氷の能力を使ったことがなかったということがわかり、俺にだけ見せたから言ってるのだろうか。
俺はまだ、全然瀬戸のことを知らないけど。
そう、呟いた。
……To be continued?
なつぴょん
【無能力者/罪:殺人】
相棒:瀬戸あさひ(?)
みさとらん
【無能力者/罪:殺人】
相棒:ポン酢野郎
ポン酢野郎
【能力者:風/罪:???】
相棒:ポン酢野郎
ズズ
【能力者:獣/罪:???】
相棒:詩人
ねろちゃん
【無能力者/罪:???】
相棒:ハッチャン
番田長助
【能力者:炎/罪:???】
相棒:卯ノ花しうね
卯ノ花しうね
【無能力者/罪:???】
相棒:番田長助
詩人
【無能力者/罪:???】
相棒:ズズ
ハッチャン
【能力者:雷/罪:???】
相棒:ねろちゃん/元相棒:???
瀬戸あさひ
【能力者:水・氷/罪:???】
相棒:なつぴょん(?)
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。