病室を開いた窓から吹いてくる温かい風とともに
黎弥くんの髪も一緒ふわふわと揺れる。
黎弥くんの髪が風で揺れると同時に甘い花のような香りが君の髪から漂ってくる。
あぁ、溶けてしまいそうになるほど私が好きな香りだ。
思わず撫でてしまっていた。
黎弥くんを起こしてしまった。
でも可愛すぎる黎弥くんが悪い。
何その可愛い顔は
まだ眉を重そうにしている君。
そんな重そうな眉をこすって
今日ようやく初めて私の顔を見てとびきりの笑顔でこう言った。
あぁ、このまま君を拝んで死ねるなら私はそれだけで幸せだ。
ともちろん私も笑顔で返す。
ちょっと急に図星突かないでよ。
図星のくせに否定する。
顔も体も声も全部もう立派な男のくせに
性格は本当に小学生みたい
まあそれが可愛いんだが。
いや、それが可愛いんだけど、
それが悲しかったりもする。
だって君と私は..........
大親友だったもんね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。