それに記されていたのは、燐翔から私に向けのDEATH GAMEの細かい記録だった。

『舞、これを見たならまたDEATH GAMEに巻き込まれたんだよな？そして、だれかがこのノートを舞のところまで運んでくれた。もう俺は参加出来ないけど、俺の体験したゲームの内容は部屋の本棚にあることは知ってるだろ。だから、本に記さなかった俺達の感情についてこれから記す。どこかしらは役に立つといいな。』

『まずは、謝罪したい。舞の双子の妹の蒼香は俺が自ら手をかけて殺した。本当にすまない、謝って済む問題じゃないことは分かっている。だけど、どうしても言い出せなかったんだ。これを知ったら舞はどう思うか、何を考えるか。そんなことを考えると言えなかった。』

『本文に入らせてもらうぞ。DEATH GAMEのとき、俺の彼女は神崎蒼香、親友は工藤蓮と蒼香だ。俺達はクラスメイトとも仲良くいいクラスで遊んていた時、1件のメールが来た。最初は誰もがイタズラメールだと思い従った。だが、次第に内容は過激になり死者が出始めてしまったんだ。そこからの内容は部屋の本に書いてある。』

『このゲームの最後を話す。命令は俺が蒼香を殺せというものだ。俺は拒否したけど、蒼香は俺の手にナイフを握らせ自分の心臓を刺した。すると、俺には「服従確認。」とメール。続けることを選択した、そのあとに蒼香の遺書を見つけた。内容は…』

『燐翔、勝手な私でごめんね？私は燐翔の彼女になれて嬉しかった。楽しかった。これからも一緒にいたいって気持ちはあったけど、無理みたい。だから燐翔は私の分まで生きてね！何があっても最後はハッピーエンドだと信じて！そう考えれば必ずいいことは起きるからさ！』

『これが遺書の1枚目。そして、2枚目もあってそこには頼み事が書いてあった。』

『あと、二つ頼みたいことがあるけどいいかな？これが彼女である私の最後の我儘！1つ目はこのDEATH GAMEを終わらせて。こんな忌々しいゲームを続けても負の連鎖が起きるから、燐翔ならできるよ！そして、2つ目。これは今まで内緒にしていたことなんだけどね？私にはお姉ちゃんがいるんだ。双子の姉、名前は舞って言うんだって。けど、凄い幼い時に別れちゃったから記憶にないんだよね。だからさ！もし、いつか舞ちゃんに会うことがあったら私は幸せだったよって伝えてほしいな。これが私のお願い！

燐翔、今まで一緒にいてくれてありがとう』

『以上が蒼香の遺書。口で伝えられなくてごめん、だけど蒼香は、舞の妹は幸せな人生を過ごせたそうだぞ。』

『舞ならこれからのゲームに終止符を打つと言ってDEATH GAMEに参加し続けると思う。多大な犠牲者が出る可能性があるけどな…だが、願いを叶えるということはそう簡単なことじゃない。何かしらの犠牲は必要になる。よく考えて動いてくれよ？俺よりも充分に頭のいい舞には出来るだろ？』

『このDEATH GAMEの最終ミッションで俺と赤井は死ぬ。そして、舞が生き残る。』

『15年という人生だった。だけどな？俺はそんなたったの15年でもいい人生を歩むことが出来たと思う。DEATH GAMEで出会った、雪奈、蓮、拓也……そして、舞と蒼香。お前らに出逢うことが出来て俺は幸せだ。』

『きっと、雪奈も俺と同じよう、舞に出逢えて幸せだったと思うぞ。』

『だからさ、泣きそうになったら笑え！俺達はいつでも天国で待ってるからよ！自ら死ぬんじゃなくて楽しく人生を過ごして普通に寿命がきて、それからどうなったかを報告しにこい！』

『それじゃ、あとは頼んだぞ！』

『倉持燐翔』

既に私の目には涙が浮かんでいた。

泣いちゃ駄目だ…！私、頑張れ…！

泣かないように必死に堪えながら、パラパラとページを捲っていく。そこには昔に3人で描いた落書きがまだ消されてなく、綺麗なまま残っていた。

最後のページにまだ一文が書いてあった。

『蒼香に聞かれたら怒られそうな話だけど、正直にいう。俺は舞に初めて会った時から蒼香より舞の方が好きだったぞ。』

一瞬で私の頬は赤く染まったが、涙目のまま少しの笑みをこぼす。

最後のページには写真も挟まれていた。

蒼香が写ってる写真を見る。

…やっぱ、私に似ているね……生きているうちに会うことはできなかったけど、幸せな人生がおくれたなら良かったよ……

そして、日付が変わる…

ﾋﾟﾛﾝｯ♪