私の学校には、プリンスがいる。しかも2人。
いつもみたいにプリンスがファンに囲まれている。私?私は違うよ。まぁ、顔はかっこいいと思うけど、性格は分からないから。
なんて言いながらもうっとりしながら、プリンスを見つめる。そこまで何が良いんだろう。少々呆れながら、教室に向かう。
あ、因みに今のプリンスは、はじめんって呼ばれてる。もう1人のプリンスは……
息を切らしながら、教室に入り時計を見て言うその人は。
……この反応で分かるよね?そう。もう1人のプリンスだ。私は、運がいいのか悪いのか、プリンスと同じクラスになっちゃったの。
プリンスが騒がれてたら、
先生が入ってきた。プリンスを囲んでいた女の子達は、先生に言われ、渋々席に座る。もちろん、プリンスも。全員席に座ったのを見た先生は、
と話し始める。でも今日は、どうでもいい話ばっかり。どんどん話は進んでいき、最後の話が終わった、という所で先生の爆弾発言。
嘘でしょ〜……。落ち込む私と違って、クラスの女子達は待ってました、と言わんばかりに騒いでる。
そう。そういうこと。だから、私のテンションは下がってるんだけどね?だって、プリンスの隣になって、仲良くしてたら、妬まれちゃうよ。そしたらいじめられる。それは避けたいからね。
次は私の番。くじを引き、先生が黒板に書いた番号の所に席を動かす。
と、女子はそわそわしている様子。だって、男子まだ引いてないし笑
プリンスがくじを引き、席を確かめる。そして、席を動かしているんだけど……。
ちょっと待って!?やばいやばいやばい。焦りながらも、無視していれば、隣には人の気配。そろーっとそこを見てみれば、
ニカッと笑ったプリンスが。……あぁ、もう終わった。そこらの女子は軽くショックを受けているよう。
私はそう返すしかなかった。
プリンスがそう考えているとも知らずに……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。