第19話

その人って誰?【デートwithシルク】
718
2018/08/02 10:29
あなた
あなた
私が先に行きたいのは……シルクです。
シルク
シルク
よっしゃあ!
はじめん
はじめん
そっかぁー。ま、楽しんできな!
シルク
シルク
はい!
はじめん
はじめん
あ、制限時間は3時間。○○ちゃんは、3時間後にさっきのジェットコースターの所に居て?
あなた
あなた
分かった。
少し説明を聞けば、はじめと別れてシルクとのデートが始まる。
二人っきりになると、結構恥ずかしいな……と思う。そんな私にシルクは顔を覗き込んでデコピンをする。
あなた
あなた
痛っ!
私が痛いと訴えながらおでこを押さえれば、ケラケラ笑って、
シルク
シルク
何緊張してんだよ!
なんて言うもんだから、私は少し顔を赤くして、
あなた
あなた
緊張なんかしてないし!
また意地を張って可愛らしくないことを言ってしまうけど、シルクはケラケラ笑ったまま、
シルク
シルク
はいはい。
と言う。この笑顔と対応にどれだけ救われるか。シルクはしらないだろうな。
シルク
シルク
で、どこ行く?つっても時間が時間だからな。
遊園地にある大きな時計を見てシルクが言う。今は11時20分。昼までは時間があるけど、アトラクションに乗れば大幅に時間は過ぎる。
あなた
あなた
そうだね。ごはん食べよ?
シルク
シルク
そうだな。
話し合いは終わり、お昼ご飯を取ることに。近場のレストランに入り、注文をする。私はオムライス、シルクはカレーで。待ってる間、他愛もない話をしていればあっという間にオムライスとカレーがくる。
あなた
あなた
美味しそう。
シルク
シルク
だな。
いただきます、と声を揃えて食べれば、とても美味しくて。少し会話を挟みながら食べていたらシルクが、
シルク
シルク
そのオムライス美味い?
じいっと私のオムライスを見てると思ったらそう聞く。
あなた
あなた
美味しいよ、いる?
シルク
シルク
いる。
それだけ欲しかったのか即答されたのが面白くてクスッと笑い、お皿を差し出す。シルクは普通にそのお皿を受け取ると、スプーンで1口。すると、顔をぱあっと明るくさせて、
シルク
シルク
うめえ!
なんて言う。その光景を見てクスッと笑う。だって、なんか小さい子供みたいだもん。

それからご飯を食べ終わり、お会計。割り勘かなと思って出したら、それを防ぐように出されたお金。えっ、と思いシルクを見れば、ニカッと笑って
シルク
シルク
こんくらい払わせろ。
なんて言われる。けど、申し訳ないよ。そう言おうとした時にシルクは察したのか、私の頭を撫でて
シルク
シルク
いいから。
……これはズルいよ。そう思いながら、レストランを出る。どこに行こうか、と話していた時。
シルク
シルク
あ、あれ行きてえ!
シルクが指差す方向を見てみれば、お化け屋敷が。えっ……お化け屋敷……
あなた
あなた
ど、どうしても?
シルク
シルク
どうしても。って、どうした?元気なくなってるけど……あ、まさかお化け屋敷苦手タイプか。
あなた
あなた
ち、違うし!
ニヤニヤしながら顔を覗き込むシルクに意地を張る。まぁ、本当は……全っ然無理なんだけどね?そう思っている間にも、お化け屋敷の方に足を進めるシルク。それにゆっくり着いていく。正直めちゃくちゃ怖い……
シルク
シルク
本当に大丈夫なのか?青ざめてるぞ?
心配そうに顔を覗くシルク。どんだけ優しいんだ……と思いながらも少し笑って、
あなた
あなた
大丈夫。
と言う。口数少ないまま並んでいれば、私達の番が来て。係員さんが少し説明をして、それが終わると中に入る。暗いところに少し入った時、シルクが私の手を握る。驚いてシルクを見れば、
シルク
シルク
怖いんだろ?バレバレなんだよ。俺が守ってやるから安心しろ。
なんて言ってくれる。暗い上に、シルクは前を向いているからその表情は見えない。でも、私の顔はきっと耳まで真っ赤。不思議だな……さっきまでこの中から悲鳴が聞こえてたのに、今はシルクの声と自分の胸の鼓動しか聞こえない。
シルク
シルク
行くぞ。
と言うシルクにこくん、と頷けば前に進むシルク。お化け(役の人)が出てくる度に、びくっと肩を跳ねさせながらシルクの手を強く握る。でも、何故か悲鳴とかは出なかった。

あっという間に終わったお化け屋敷。シルクは顔を背けたまま、
シルク
シルク
俺トイレ行ってくるわ。そこ動くなよ。
と言い行ってしまった。その耳が真っ赤だったのは気のせいかな?そう思いながらシルクの背中を見つめる。意外と大きくて、逞しくて、優しいあの背中の温もりを私は知っている。私はそんな彼の背中が大好きだ。
【シルクside】
あーもう、やっちゃったよ俺……トイレの鏡の前でしゃがみこむ。今顔を見てみれば、やっぱり真っ赤で。それが分かってたから○○に顔を見せられなかった。
自分の左の掌を見つめる。こっちの手で、手を握った。小さくて、女の子らしい手だった。お化け(役の人)が出てくる度に、手を握ってきたことを思い出す。
シルク
シルク
あー……マジでやべえ。
決心したくせに、なんで自分が赤くなってんだよ……ふぅ、と息をついて落ち着かせる。また鏡の前に立てばいつもの俺。
シルク
シルク
よし。
小さく呟くと、○○の元へ戻る。ベンチに座って、つま先を見ている○○。よくナンパされてねーな、と思いながら近付く。
シルク
シルク
悪ぃ、待たせたな。
と言えば顔を上げて微笑み、
あなた
あなた
大丈夫、それほど待ってない。
……だから狡いって。自分の顔は赤くなってないか心配だけど、同じように微笑んで、
シルク
シルク
じゃ、行くか。
と言えば、ベンチから立ち上がり、隣に並ぶ○○。やべ、手繋ぎたくなってくる。それを抑えながら歩いていれば、流石に行き先が気になったのか、俺を見上げて
あなた
あなた
どこ行くの?
と聞いてくる。自然と上目遣いになるこの身長の差は心臓に悪い。それでもなんとか抑えてふっと笑い、
シルク
シルク
お楽しみ。
と言った。これは、俺の戦い。ちゃんと向き合わねえと、な?
【あなたside】
お楽しみ、って……本当にどこに行くんだろ。気になりながら来たのは路上。色んな人が来ているけど、ほんとに何これ?と首を傾げていれば、
シルク
シルク
ホント鈍いな、○○は。
苦笑しながら言うシルク。鈍い?私が?
あなた
あなた
そんなことないし。で、何が始まるの?
ぐいぐい迫って言えば、少し顔を赤くして、顔の前に手を出し焦りながら
シルク
シルク
やめろって!
そんなシルク見たことなくて、クスクス笑っていれば、どこからか楽しい音楽が聞こえてくる。なんだろう、と思い見てみれば、ここの遊園地のキャラクターや、色んな格好をした係員さんが出てくる。もしかして、と思いシルクを見ると、にっと笑って、
シルク
シルク
ここのショーすげえよな。
なんて言う。ショーなんかあるんだ!と目を輝かせて、しばらくショーを見ていれば、自然と笑顔になってくる。
シルク
シルク
……なぁ。
あなた
あなた
ん?
シルク
シルク
俺今日気になる子ならいるって言ったじゃん?
あなた
あなた
言ってたね。
シルク
シルク
その子のこと気になるじゃなくて好きって気付いたわ。
あなた
あなた
えっ……
ショーに向けていた目を、シルクに向ける。前を向いていたシルクが私の方を向く。
シルク
シルク
その子、誰か分かる?
頬に手を添えながら私に聞くシルク。私の顔は多分赤いけど、シルクの顔は真剣そのもので。
あなた
あなた
わ、分かんないからっ
と、目だけを逸らせば、シルクが言葉を続けようとする。その時、遊園地にある時計に気付いて見てみれば、はじめとの待ち合わせ時間まであと5分。あそこまでかなり遠いところにいるから、走ってもギリギリ間に合わないかもしれない。
あなた
あなた
シ、シルクッ時間が……
赤い顔のまま言えば、シルクはハッとしたように時計を見ると、
シルク
シルク
……行ってこいよ。
と笑う。けど、その笑顔にが悲しそうに見えて……なんでそんな悲しそうなの?と言おうとしたのをやめて、
あなた
あなた
ありがと、シルク。楽しかった。この楽しいデート、その好きな子と出来るといいね。
ニコッと笑って言えば、顔を赤くして私の頬から手を離した。そして、いつもみたいに笑って、
シルク
シルク
楽しんでこいよ!
と、言ってくれた。
あなた
あなた
ありがと!
走り出しながらそう言って、急いで待ち合わせ場所に向かう。
シルク
シルク
……はじめくんもこんな気持ちだったのか。
悲しそうな顔をして1人呟いたシルクのことは知らずに……
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
作者(トマト🍅)
作者(トマト🍅)
はい、皆さんこんばんは!真っ赤でプチプチトマト🍅ちゃんです!
作者(トマト🍅)
作者(トマト🍅)
シルクさんとのデートどうでした?
シルク
シルク
(あそこ言いたかったのに……)
作者(トマト🍅)
作者(トマト🍅)
そんな残念そうな顔しないでくださいよ。私だって、初めての長編頑張ったんですから。(苦笑)
シルク
シルク
お気に入り減ってたくせに。(ボソッ)
作者(トマト🍅)
作者(トマト🍅)
うっ……ま、まぁ!次ははじめさんとのデートです!
はじめん
はじめん
やっとか〜待ってる時間長かった〜
作者(トマト🍅)
作者(トマト🍅)
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では、せーのっ(・ω・)/ アデュー☆
プリンス
プリンス
(・ω・)/ アデュー☆

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