玲於 said
バシッ
アイツは残念そうに笑って、俺に腕を振り上げる
ダメだ、逃げられない…
そう諦めた時だった
バタッ
後ろから聞こえてきた物音と
壱馬の叫ぶ声
嫌な予感がして声のした方を見ると…
慎の腕の中でぐったりと倒れてるあなたの姿が
北人の声にも全く反応しない
そんなあなたの元にアイツは近づこうとする
俺は咄嗟に足に掴みかかった
すると、アイツはゆっくり俺の前にしゃがみ込んできて
バコッ
耳元で囁かれたと思ったら、思いっきり腹を殴られた
その痛みに耐えられず、そこで意識が途切れた
………………
………さん……
……玲於さん……
んっ…誰だ……
目を開けると、心配そうに俺の顔を覗き込んでる颯太が
あなたの名前を出すと、顔を曇らせた颯太
かと思ったら、突然
服の裾を握りながら泣き出した
悔しそうに涙を流し続ける颯太を、俺はただ見る事しか出来ない
あなたが連れてかれた…?
アイツが連れてったって事だよな
じゃあ、早く連れ戻さないとあなたは…
…………って、待てよ…
颯太は何か思い出したようで
慌てて部屋を出ていった
しばらくすると、みんなを連れて戻ってきた
颯太が連れて来たみたいだ
嘘だろ…
そんなの…そんなの絶対に……
その時だった
AKIRAさんが出してきたのは1枚の紙
受け取ると、それは俺ら宛ての手紙で
あなたの家族のみなさんへ
あなたたちを1週間後、乱桜組に招待します
ぜひ、あなたの晴れ姿を見にいらしてくださいね
その日が最後になりますよ
あなたの父親より
そう書かれていた
これでハッキリ分かった
アイツはあなたを乱桜組に縛り付けて、俺らを離れ離れにさせる気だ
またボロボロにされるかもしれない
でも、絶対にあなたは取り返す
俺らの大事な “家族“ だから


























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。