“ただいま“
そう言った少女は、間違いなくあなたで…
恐る恐るではあるがあなたの元に近づく
ギュッ
ちゃんとあなただと分かった途端、俺はあなたの手を引いて自分の方に抱き寄せた
そのままギュッと強く抱き締める
そう言って、あなたも俺に応えるように強く抱き締めてくれた
亜嵐 said
下から玲於が俺らを呼ぶ声が聞こえて降りて行くと…
玲於の隣にあなたか立ってて、こっちを見て微笑んでる
俺の後ろにいるみんなも驚きが隠せない
ニコッ
途端に、みんな一斉に階段を駆け下りてあなたに抱き着く
苦しいよ…、と少し笑いながらも、あなたはしっかり抱き締め返してくれる
あなたがここに戻ってきてくれた
それが嬉しくて涙が止まらなかった
いつまで経っても泣き止まない隼にあなたが困っていると
コンコンッ
誰かが来たみたいだ
ドアを開けた俺も含めて、全員がドアの方を見て固まった
なぜなら、そこに居たのは…
あなたのお父さんだったから
そう言ってすぐ引き止めると、心配そうな顔をしたけど少し強引に家の中に招いた
あなたとお父さんが隣に座り、その前に俺らが座った
2人は俺らが最初に見た時より和やかな雰囲気で話をしてる
誰がどう見ても仲の良い父親と娘だ
そこまで言うと、あなたのお父さんは俺らの方に向き直った
なにか大事な話に違いない
部屋の空気が一変したのがよく分かる
じゃあ、もうあなたとはここで暮らせないって事なのか
帰ってきてくれた、また一緒に暮らせると思ってたのに…
.
思ってもなかった言葉に全員が驚いた
俺らも、乱桜組に入る…?
そこまで言うと、あなたのお父さんは頭を下げる
恐る恐る顔を上げたあなたの父親
俺の中で答えは出てる
もちろん、みんなも同じはず
嬉しそうに涙を流して笑いながら俺の手を握ってきた
俺もその手をギュッと強く握り返す
あなたの方を見ると、あなたも嬉しそうに微笑んでる
あなたの方へ行ってそっと抱き寄せると
静かに涙を流しながら抱き着いてきた
そう言うあなたを俺ら全員で抱き締めた
それから数年後……
あなた said
ガバッ
ニコッ
また後でね!っと嬉しそうに駆けて行った子供たちを見送って、龍桜の間へ向かう
コンコンッ
ガラガラッ
龍桜の間に居たのは、お父さんと
乱桜組の一員となったみんなだった
あの後、AKIRAさんたちにもみんなを乱桜組に迎える事を伝えた
すると、自分たちも入ると言ってAKIRAさんたちも子供たちも一緒に乱桜組に迎え入れたのだ
あれから、恐ろしい存在とされてた乱桜組は無くなって
代わりにたくさんの人を守り助ける、街の人達にとって心強い存在となった
それも全部みんなが居てくれたから
みんなが私とお父さんを変えてくれたから
丘の下で元気に走り回る子供たちと亜嵐たちや慎たち
それを見守るお父さんやAKIRAさんたちを見ながら
そう言って玲於の方を見た
そう微笑みながら優しく抱き締められた
私もそっと玲於の背中に腕を回して抱き締め返した
暗闇の中へ落ちてしまった
もう二度と光の元へは戻れないと思ってた
そんな私を、みんなは救ってくれたんだ
血の繋がりなんて関係ない
これからも、みんなは私の大好きな自慢の “家族” です
~END~


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!