第44話

STORY 44
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2021/05/16 10:07 更新
玲於 said
俺は無意識にアイツの胸ぐらに掴みかかってた
玲於
玲於
償いなんて何考えてんだ…
玲於
玲於
そんな事あなたも桜華さんも望んでない!!
トップ
!?
俺の言葉にアイツは目を見開く
玲於
玲於
確かにお前がした事は許される事じゃない
玲於
玲於
でも、それでお前が死んだらあなたはどうなる
玲於
玲於
あなたはまた家族を失う事になるんだぞ
玲於
玲於
大事な存在がいなくなったらどれだけ辛くて苦しいか、お前が1番よく分かってるはずだ
トップ
私が…大事な存在……?
玲於
玲於
当たり前だ!
玲於
玲於
あなたにとって、お前はたった1人の血の繋がった “家族“ だぞ!
玲於
玲於
その繋がりは何があっても消えない
そこまで言うと、俺は胸ぐらから手を離した

すると、アイツは力なく地面に崩れ落ちる
玲於
玲於
お前が今するべき事は償いなんかじゃない
玲於
玲於
あなたのために生きる事だ
俺がそう言うと
(なまえ)
あなた
お父さん…!
みんなの所にいたあなたが駆け寄ってきて、力なく座り込むアイツに強く抱き着いた
トップ
あなた…?
(なまえ)
あなた
良かった、死ななくて…
トップ
っ……
あなたの言葉を聞いた途端、アイツの目からは大粒の涙が流れ始めた
トップ
すまなかった…っ…泣
 “すまない“  “すまなかった“ 

アイツはただただその言葉を繰り返しながらあなたを抱き締めてる
ギュッ
(なまえ)
あなた
もう大丈夫だよ、お父さん…
そんな状態の父親をあなたは優しく抱き締め続ける

その姿は誰が見ても親子そのものだった















全てが終わり、俺らは乱桜組を後にした

AKIRAさんたちとも別れ、自分たちの家に帰ってきた
隼
これから乱桜組はどうなるんだろうね…
裕太
裕太
しばらくは慎たちがトップの代わりをするって言ってたから大丈夫やろ
亜嵐
亜嵐
アイツらなら正しい方向に進めるだろうし
いつの間にか1階の部屋にみんなが集まってそんな話をしてる

乱桜組を後にする前、慎たちから今後の乱桜組の事とあなたの事について話された

まず、あなたの父親にはしばらくの間体を休めてもらう事

父親の看病はあなたに任せる事

その間、乱桜組の事は慎たちがトップの代わりをする事

そして、今後の乱桜組の事はあなたと父親の2人で話すという事だった
龍友
龍友
あなたはこれからどうするんやろうな
メンディー
メンディー
父親との関係が元に戻ったなら、もう逃げたりする必要ないだろうし
涼太
涼太
そしたら、ここに居る理由も…
涼太の言葉で全員の顔が曇る
……そうだ、もうあなたがここに居る理由が無くなる

あなたにとって、ここは逃げ場にすぎなかった

父親から、乱桜組から逃げるための場所だったんだ

でも、もう父親から逃げる必要はない

元のように父親と娘に戻れたのなら……
玲於
玲於
もう…戻ってこないかもしれない…
みんな
っ……
玲於
玲於
……ごめん、先に部屋に戻る
その場の空気に耐えられず、俺は自分の部屋に上がった

自分で言ったくせに、その言葉で心が締め付けられる
玲於
玲於
っ……泣
部屋に入った途端、抑えてた感情が溢れ出した

あなたが帰ってこないかもしれない

そう思っただけで、こんなにも胸が苦しくなるなんて思わなかった
玲於
玲於
あなた…っ……
最初はただ助けたかった

丘で出会った時のあなたが悲しそうな辛そうな顔をしてたから

そんな顔をさせたくないって思ったから

だから、ここを逃げ場だと思ってくれてても良かった

あなたを助けられるなら、それで良かった

でも、今は違う…



ここを逃げ場だと思って欲しくない

ここをあなたの “家“ だと思って欲しい、安心出来る場所であって欲しい
俺らの事を、ずっと “家族“ だと思ってて欲しい

その願いが叶わなくなるかもしれないなんて考えたくない…

考えただけで心の奥がえぐられて苦しくなる
玲於
玲於
戻ってきてくれよ……っ…
俺は夜の間ずっと声を殺して泣き続けた



















あれから数ヶ月が経った

今日はAKIRAさんたちと子供たちが家に来てる
女の子
ねぇ、玲於お兄ちゃん
玲於
玲於
ん、どうした?
女の子
お姉ちゃんはどこに行っちゃったの?
玲於
玲於
っ…えっと…
変わらずあなたは帰ってきていない

父親の看病が長引いてるのか、それとも…
女の子
お兄ちゃん?
玲於
玲於
あっ、ごめんな
俺の表情を見てか不安そうに俺を見上げてる

この子はあなたの事大好きだったもんな
亜嵐
亜嵐
あなたはな、お父さんの所に居るんだよ
女の子
お姉ちゃんのお父さん?
涼太
涼太
そう、お父さん元気ないんだって
涼太
涼太
だから、お父さんを元気にしに行ってるんだ
女の子
そっか…
そう言いながら寂しそうに俯いた

俺は思わず、その子の事を抱き寄せた
玲於
玲於
大丈夫、あなたなら帰ってくるから
玲於
玲於
もうちょっとみんなで待ってような
女の子
うん!みんなと待つ!
女の子
お姉ちゃんが戻ってきたら、またみんなで丘に行くの!
玲於
玲於
そうだな、またみんなで行こうな
嬉しそうに笑いながら俺に抱きついてくる

この子にあなたが帰ってこないかもしれないと伝えたらどうなるんだろ…

そんな事を考えながら1日があっという間に過ぎた
メンディー
メンディー
気をつけて帰るんだぞ!
子供たち
バイバーイ!
子供たちを送ろうとすると
AKIRA
AKIRA
玲於
玲於
玲於
AKIRAさん?
AKIRAさんが1人俺の方に戻ってきた
AKIRA
AKIRA
ちょっと着いてこい
玲於
玲於
えっと…
AKIRA
AKIRA
いいから、行くぞ
困惑気味の俺を連れて、AKIRAさんはどこかへ向かった




連れてこられたのは、あの丘だった
AKIRA
AKIRA
ほら、ここ座れ
隣をポンポンと叩かれ、俺はAKIRAさんの隣に並んで座った
玲於
玲於
あの、俺に何か…
AKIRA
AKIRA
アイツらが心配してるんだよ、最近お前の元気がないって
AKIRA
AKIRA
あなたの事、ずっと考えてるんだろ?
玲於
玲於
!?
AKIRA
AKIRA
その感じは図星みたいだな(笑)
少し笑いながらAKIRAさんは空に目を移した
AKIRA
AKIRA
お前が不安になる気持ちはよく分かる
AKIRA
AKIRA
お前だけじゃない、アイツらだって不安に思ってるはずだ
ワシャワシャッ
玲於
玲於
っ…!
AKIRA
AKIRA
だから、1人で抱え込むな
AKIRA
AKIRA
お前には心強い “家族“ が居るんだからな
玲於
玲於
AKIRAさん…
俺の頭を優しく撫でながら、AKIRAさんはずっと俺のそばに居てくれた

何故かAKIRAさんには本心を隠さずに話せた

AKIRAさんは何も言わず、ただ俺の話を聞いてくれて
AKIRA
AKIRA
よく話してくれた、ありがとな
話し終わった時には、そう言って俺の肩を抱き寄せてくれた
AKIRA
AKIRA
少なくとも、あなたはお前たちの事を大切な家族だって思ってるはずだ
AKIRA
AKIRA
あなたが誰よりも優しい子だって事は、お前が1番よく分かってるはずだろ?
玲於
玲於
はい…
AKIRA
AKIRA
だったら、あなたを信じてればいい
AKIRA
AKIRA
言ったんだろ、あなたに俺の事を信じろって
玲於
玲於
っ…!
……そうだ、思い出した

俺、出会った時にあなたに言ったんだ

“俺の事を信じて欲しい“ って

なのに、何で俺があなたを疑ってるんだ

あなたを信じるべきなのに…
玲於
玲於
AKIRAさん、ありがとうございました…
玲於
玲於
俺、あなたの事信じて待ちます
AKIRA
AKIRA
それでこそ、俺の自慢の “家族“ だな
AKIRAさんが満足気に笑って立ち上がる
AKIRA
AKIRA
俺たちみんなであなたを待つぞ
AKIRA
AKIRA
俺たちの “家族“ をな……
そう2人で空の下で約束をした



















それからまた月日が経ち、乱桜組での1件から1年近く経とうとしてた

それからも変わらず、あなたは帰ってこない

それでも、俺らはあなたの帰りを信じて前向きに生活してる
隼
あっ、玲於!
玲於
玲於
ん?
隼
外のハシゴ取ってきてもらっていい?あなたの部屋の窓修理しようと思って
玲於
玲於
分かった、ちょっと待ってろ
隼に言われ、外のハシゴを取りに1階へ降りた時だった……




























????
玲於…?
玲於
玲於
っ…!!
入口に少女が1人立っている

1年近く離れていても変わらない優しい笑顔とその声

そして、星空のように輝く青い目














(なまえ)
あなた
ただいま(*^^*)
やっと、俺の大切な “家族“ が帰ってきたみたいだ




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