お父さんの顔から一瞬で笑みが消えた
この顔、知ってる
…………人を傷付ける時と同じ顔だ
そう言い放った時には……
お父さんは私の目の前に迫ってきてた
何とか攻撃を避けて、みんなから離れた所に着地したけど…
ビュンッ
また一瞬で私との距離を縮めてきて攻撃を仕掛けてくる
今の私にはお父さんの動きを追うのだけで精一杯で、私の方から攻撃する隙なんて全く無い
それに、いくら攻撃を避けても、またすぐに距離を縮めて攻撃してくる
今の私がお父さんに敵うわけが無いんだ
力のコントロールだって完全に出来てるわけじゃない
そんな私が…
本当にみんなを守れるのかな……
“あなた、あなたなら大丈夫“
“自分の力を信じなさい“
どこかから聞こえてきた、大好きなお母さんの声
そうだ、ここで私が諦めてどうするの
大事な “家族“ を絶対に守るって決めたんだから…
私が諦めるわけにはいかない……
ビュンッ
バシッ
私はみんなの方に蹴りを入れようとしたお父さんの足を押さえ込んだ
今の私がお父さんに敵わない事は分かってる
だったら……
バシンッ
今の私が出来る事をやるしかない…!
思いっきりお父さんのお腹に蹴りを入れて、遠く離れた所まで飛ばした
でも…
ドガンッ
来る…!
ビュンッ バシッ
さっきよりも目を赤く爛々と光らせて、殴りかかってきたお父さん
ダメだ、動きも速いし回復も早い…
お父さんの攻撃を押さえ込むのだけで精一杯なのに…
これじゃ、同時にみんなも守るなんて絶対に出来ない
だったら……
ググググッ
慎の言葉は凄く嬉しい…
でも……
バシッ ドンッ
もうこれ以上、みんなを巻き込みたくない
このままじゃ、いつまで経ってもお父さんとの決着を付けられない
お願いだから……
慎 said
その言葉を最後に、あなたとトップは一瞬でどこかへ消えていた
あなたの事だから、俺らを巻き込まない為にどこかへ移動したに違いない
だとしたら、どこに……
北人が指差した方を見ると、そこには血の跡が
床に垂れた血は、建物の奥の方に向かって続いてる
この先にあるのって…
それだけじゃない…
前にあなたが言ってた
次にあなたがトップと龍桜の間へ行く時は……
“もうみんなと会えなくなるかもしれない“
























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!