で、パパに出会って3ヶ月くらいたったときかな。

ママ病気したの。

盲腸だったんだけど、1ヶ月受験生だったのに学校も塾も行けなかった。

お母さんとお父さんは励ましてくれたけど、毎日の入院生活は驚くほどつまらなかった。

毎日絵を書いているか音楽を聴いているくらいで、すっごい寂しかった。

そのときに、手術が終わって1週間くらいだったかな。
急に、病室にパパがきたの。

息を切らして、『先輩、』って。
『心配したんですよ、何やってたんですか。』って。

今まで見たことないくらい優しい瞳だった。
そのときにママは、この人が必要だと思ったの。だから、パパのことを好きになった。

それからパパは、退院するまで毎日病室に来てくれた。
退院する日には、花束を持ってきてくれた。

それで退院して1回目の登校日。
今でも忘れないわ。笑笑

4時間目の授業が終わったらすぐに、いつもの場所に走った。
そしたら、もうパパはいて。

ママ下の名前柚乃（ゆの）でしょー？
だから、なんかパパがね、急に
『柚乃先輩、』とか深刻な声で言ったときビックリした。

そしたら、『好きです。付き合って下さい。』って。

シンプルだったけど、不器用なパパが言った言葉はこの上ないくらい嬉しかった。