【 翌 朝 . 登 校 中 に て . 】
〜徹side〜
岩泉「あなたが倒れたっ!?!?」
キーーン
徹「ぅ … 岩ちゃん声大きい ッッ 、、 」
岩泉「アイツ最近まだ体調良かっただろ??」
徹「烏野の奴らとバレー1試合やったんだってさ」
岩泉「あ"!?…… 無理すんなっつたのに 、、」
徹「そうッッ!!そうなんだけどね!?」
徹「 … 昨日澤村くんの電話で 世間話程度に聞いたんだ」
徹「あなたはずっと本気でプレーしてたし
サーブもジャンフロをやってたって。」
岩泉「 …… 。」
徹「それで最後の2点分はジャンプサーブをしたらしいんだ」
岩泉「え 、、」
徹「驚いたよ、まさかあなたがそんな事するなんてさ」
徹「 … 苦手なのに、、」
岩泉「なっ、んで、、」
徹「昨日 … あなたが言ったんだ 、、」
〃 "強く" なりたかった 〃
徹「 …… って。」
岩泉「 …… ッッ 」
徹「 、、何も言えなかったよ 。。」
徹「兄失格だよね … 俺 、」
岩泉「んな事 … 」
徹「いいよ岩ちゃん 。。 あなたさ、
ジャンプサーブ どっちも点取れたんだって。
で、極めつけはあのリベロくんの横をすり抜けて。」
岩泉「 … 、スゲェ …… 」
徹「前のあなたならほぼ無理だったよ …
あなたにあのサーブは向いてなかった」
岩泉「でもスゲー練習してた 、、」
徹「うん 。… だからきっと …
その努力が昨日 、花開いたんだなって …… 」
岩泉「 … 」
徹「今更なんだ 、、皮肉なもんだよ。
けどあなたは逃げなかった」
徹「限界なんてとうに超えてたはずなのに。
…… 苦しかったろうに、、怖かったろうに、、」
徹「でもあなたは突然見えた自分の成長の '核心' に
迷わず手を伸ばしたんだ」
そう。
_________ " 強くなりたかった " から ……
徹「スゴい勇気だよね 、、」
徹「 …… でも俺はあの時 躊躇ってしまった」
徹「 ッッ … "やって欲しくなかった" って 。。」
徹「 、、ダメな兄だよ …
倒れるかもって思いながら突き進んだあなたの
勇気を褒めてやらないといけないのにさ …… 」
岩泉「及川 。それは違うぞ 。」
徹「 … い、岩ちゃん、 ? 」
岩泉「大切な妹に苦しい思いしてほしい訳ねぇ 。
… 当たり前だ 。
お前が一番 あなたを見守ってきたんだから」
"" 自信持てよ ""
徹「 !! ……… 。ぅぅ、 岩ちゃんッッ … ! 」
岩泉「それにどーせお前も自分の急成長が見えれば
意地でもやめねーだろうが」兄弟ってのはスゲーな
徹「岩ちゃんッッ …!!」急に辛辣ッッ!!
岩泉「似てるからこそ 分かってやれる事とかねぇのかよ」
徹「 … 似てないよ。
あなたと俺は似てるようでまるで違う … 」
徹「 …… 、でもそうだね。 本当は気づいてた 、、
"あなたも俺も" … バレーが大好きだから … 」
徹「きっと、、
_____ "楽しい" が来ちゃったんだろうなぁ …… 」
岩泉「 "楽しい" 、か 。。」
徹「うん 。だから "強くなりたかった" んだよ」
徹「 "楽し" かったから最後まで本気でやったし
やるからには "強い" 自分で居たかったんだろうな … 」
徹「あなたは人に弱い部分を見せないから …… 」
徹「 ______ 完璧に近づきたかったんだ 、、」
岩泉「 …… んな奴、居ねぇのにな 。」
そう。
"" 完璧 ""
そんな人は存在しない 。
それでも人は自分を少しでも "好き" で居たいから
"完璧" を目指して努力する 。
でも結局自分一人では完全にはなりきれない。
例えどんなに頑張ってもね …… 。
徹「岩ちゃんとあなたは色々反対だよね」
だからそれをお互い補い合える人を見つけるのが人生で
岩泉「そうか … ??」
それが何人だろうと そういう人と出会えれば
その人は掛け替えのない友達に、仲間になる 。
徹「うん 。」
徹「 …… 」
いつか現れたらいいね …
徹「 … 弱いところを補い合えるパートナーが 、、」
____________ あなたにも 。
岩泉「 、?あなたのか??」
徹「うん 。」
人は儚いから、弱いから "愛" が生まれる 。
岩泉「それなら俺が補うぜ」
支えたい、守りたいと思うから 。。
徹「ははっ、岩ちゃんほんとに出来そうだから怖い 笑 」
岩泉「あ"?んで怖いんだボケ」
だから …
徹「だって!俺があなたを幸せにしたいもんっ!」
そういう人を見つけられたら幸せだね 。
松川「シスコンだな」
花巻「シスコンだな」
岩泉「あぁ、シスコンだな」
徹「まっつんマッキー!?いつから居たのさ!!」
松川「今さっき〜」
花巻「走らねぇと朝練遅刻だぞー」タッタッタッ …
🏃🏃 …
徹「 … うわほんとだっ!!」でもシスコンは心外だねっ!
_________ "愛" は世界中にありふれている。
それは '兄弟' にも 'パートナー' にも '友達' にも
'仲間' の間にさえあるもの 。
だからこそ その在り方は様々で、扱いづらいし脆い 。
徹「 … っ、… ハァッ 」
"" 補い合える ""
徹「 🏃 ヤッバイ監督に叱られるっ … 」
それはあなたにとって難しい事かもしれない 。
🚪 ガチャンッ … 🚪
国見「あ、及川さん今日は遅かったですね 。
おはようございます。」
だってあなたが一番足りてないものはきっと ……
徹「国見ちゃんもね!?!?」今来たばっかだよね!?
きっと " 愛 " なのだから … __________ ‥ · °
‥ n e x t ⇛ ♡ 40 ‥
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!