第52話

"証" だから
3,427
2021/04/07 02:50


~黒尾side~



監督達が帰るから挨拶だけして来いと言われて
俺達はあなたの所へ向かった。






そしたらなんだ?






研磨にバックハグされたあなたは

顔を紅く染めていて。







黒尾「、は?








俺は走った。








そして空いているあなたの前から抱きついた。






否、抱きしめた。








研磨にめっちゃ睨まれたけど💦








それはまるでガラス細工を触るかのように。。





だって少しでも荒く扱ってしまったら……





────── 壊れてしまう気がしたから



────── 失くなってしまう気がしたから








抱きしめながら



その力と熱にまだ言えない

俺のこの気持ち愛してるというを乗せて。






優しく、

でも強く、、

それは緩くしたらきっと

自分の中から消えてしまいそうで……







離れたくないっつう気持ちが、、





黒尾「あなた……





溢れて……





黒尾「……ッッ……これ以上ッ……




もう、止まらなくて……




黒尾「、ッッ俺から離れんじゃねぇよ…」_







そう発した俺の声は

自分でもビックリするくらい弱々しく…








やっぱりあなたはいとおしくていとおしくて、、

いつまでもこうしていたいと思った。








まぁ、この世はそんな都合よくはないけどな苦笑




やっくんに引き剥がされたし💧










そしてあなたと別れの挨拶をしていたとき。




"私、音駒のバレー大好きです!"



"少ししか見てない私に言われても嬉しくないと思いますが……"







そうためる所とか、やっぱりあなただな、

って思ったりして。






"とってもカッコよかったです!"







なんてとどめを刺すから…








黒尾「そういう所だよな…








やっと会えたのに もう会えなくなんのかよ…












苦しい想いに無理矢理 蓋をして、





俺は研磨の隣に座った。









バスの窓からあなたが
烏野のやつらと遠ざかって行くのを見ていると










研磨「あなた、大丈夫かな。。」











ん、????








まぁ、あん時にも思ったけど ((38話













確かに大丈夫じゃなさそうだったし……









でも……











黒尾「なぁ研磨!?? なんでだ??」










そのことはお前、知らねぇだろ??








じゃあ何で?

















研磨「(o_ _)o.。oOO」







、研磨… 何年一緒に居ると思ってんだ。。










黒尾「たぬき寝入りすんじゃねぇ……












どうやら俺の知らないあなたは









俺の思っている以上にあるようだ _______

























~研磨side~




もう会えないと思うととても寂しくて



俺はあなたに抱きついた。








あなたは少し戸惑ってから顔を紅くさせた。







途中でクロに邪魔されたけどね💢








それからクロはあなたに

"俺から離れんじゃねぇよ……"


って、今にも消えそうな声で言うから。







やっぱり俺と同じ気持ちか… なんて思って。








まぁクロにとられるなんて絶対させないけどさ。








クロのその声はあなたに全く届いてはなかったみたいで安心した。








でもライバルが多いのは認めたくない事実だから。








"覚悟しててね、あなた。"








臆病なのか、口には出せなかったけど。








これは本当だから。










虎に引き剥がされて渋々あなたから離れた。








そしてあなたに挨拶をした。







"いつでも音駒来いよ" と言った夜久くんに




みんなは頷いて、、





でも悔しいことにあなたは

"烏野で頑張ります" と言った。







その表情はとても楽しそうで、、









でもそれはやっぱりあの笑顔向日葵のようなだった。







そして最後、あなたは





"私、音駒のバレー大好きです!"





と言って





"少ししか見てない私に言われても嬉しくないと思いますが……"






そう、遠慮がちな言葉をかけてから言うあなたが






"とってもカッコよかったです!"







あなたらしいなって思った。











そうして

顔を紅く染めながら烏野の方へ駆けていった。










それからあなたは烏野の人達に絡まれて



優しそうな方のセッター菅原さんの人に


話しかけられながらバスに向かっていた。








そのあなたの後ろ姿はどこか


いつもより小さく、頼りなかった













何でだろう…






















_____ああ、、
















昨日の夜、初めて俺は







"泣きながら眠る子" を見た。














そんなあなたを見た時






家の近くで拾った

ガリガリに痩せ細ったあの子猫を思い出した。








俺は何故かほっておけなくて家に連れて帰って。








その子猫にゴハンをあげて

ふわふわの布団で包んであげた。







子猫は丸まってすぐにくたりと眠りについた。











一生懸命生きようとしているんだ。






そう思って、、















_________ だからか、、!










そうだ、

その一生懸命に生きようとしているその姿に






あなたのあの眠る姿が重なった。









俺のゲーム機の微かなかすかな光に照らされたあなたは、

静かに肩を上下させていて。


















__________ 頑張って生きようとしていることは明確だった。














そしてあの、向日葵みたいに笑う君は。。










そうか…













________ 生きるための笑顔必死に生きている証だったんだね。





















バスに乗った俺は







研磨「あなた、大丈夫かな。。」








と、無意識に呟いていていた。




















そのあと隣に座っているクロが色々言っていたのは




聞こえなかったことにしよう。





























             ʕ•ᴥ•ʔᵗʱᵃᵑᵏᵧₒᵤ❥



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