第7話

再会と出会いの予感
あなたは燃え尽き症候群のようにぱたりとペンを執らなくなった。また、一日一日を無駄に過ごす生活に戻ってしまった。
ゴールデンウィークに入り、珍しく短大時代の友人であるジンからメールがあった。既に結婚したジンが奥さんの美桜さんと居酒屋を始めたというので、せっかくだから行くことにした。
神宮寺勇太
神宮寺勇太
あなた、久しぶり!
あなた

久しぶりだねー。

神宮寺勇太
神宮寺勇太
ごめんな。なかなか時間作れなくて。仕事終わってから誘うと夜遅くなっちゃうしさ。廉さんとか心配するでしょ?
あなた

そんなことないよー。かなり放任だから。

神宮寺勇太
神宮寺勇太
あっ、何飲む?お酒ダメなんだよね。今、準備するからちょっと待ってて。
あなた

うん、ありがとうね。

神宮寺勇太
神宮寺勇太
そういえばあなた、病院は?
あなた

うん、2ヶ月に1回通ってるよ。

神宮寺勇太
神宮寺勇太
そっか。体調いいみたいでよかったよ。
あなた

うん、今は安定してるから。

神宮寺勇太
神宮寺勇太
ホントよかった。あなたが元気になってくれて。こうして気軽に外に出られるようになっただけでも嬉しいよ。
あなた

ありがとね。あれ?そういえば、今日美桜さんは?

神宮寺勇太
神宮寺勇太
なんか、中学時代の友達と出かけてる。でね、美桜とも話したんだけど、改めて3人で飲まない?
あなた

え?うん、いいけど…。

神宮寺勇太
神宮寺勇太
美桜があなたにぜひ紹介したい人がいるんだって。その話がしたいからって。
あなた

でも…いいよ。

神宮寺勇太
神宮寺勇太
だめだよ、あなた。って、強引に会わせたりしないからさ。ね?
あなた

…わかった。

病院にいる間に、もう二度と誰も好きになることはないのだろうとあなたは感じていた。10年後に死ぬ女を誰が愛してくれるだろう。それを承知で愛してくれた人がいたとして、その人を置いていくことを想像しただけであなたはゾッとした。それはつまり、死を恐れてしまうということだからだ。

今、あなたの心の振り子は揺れている。不協和音の耳元に、恋という音色はとてつもなく澄んで聞こえた。