第15話

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15
2022/01/10 08:17
それは中学一年生の春。
…初めて僕に友達ができた。
そして初めて僕は恋をした。
赤坂晴翔
赤坂晴翔
初めての友達は赤坂晴翔という名前だ。


同じ中一で
おとなしい性格だが、誰にでも優しく、こんな俺にも優しくしてくれ"ていた"。
北野沙織
北野沙織
…。
こちらは北野沙織。
初めて恋をした相手だった。
おとなしい性格で影が薄かったが、実は優しくて、僕が宿題を忘れた時によく見せてくれた。
そんな彼女の姿を見て僕は恋を"した"。
一目惚れだった。
…時は過ぎ、夏休み前になっていた。
僕は赤坂と友達になって以来、いっぱい話して、一緒に遊んだり笑い合った。
僕も彼もお互いに信頼しあっていた…。
そんな彼に僕は悩みを打ち明けるか、悩んでいた。
しかし、すぐに答えは決まった。
赤坂晴翔
赤坂晴翔
お前、なんか悩みあるのか?
彼は言ってくれた。
赤坂晴翔
赤坂晴翔
俺たち友達なんだからさ、なんでも相談しろよ。
僕は彼の「友達だから」の言葉を信じて、悩みを打ち明けた。


…実は恋をしてるんだ、僕。
…それでその人が〇〇さんで…
…僕、どうすればいいのかわからなくて。

彼は一緒に悩んでくれた。
そして彼は言った。
赤坂晴翔
赤坂晴翔
気持ちを伝えるんだ。
赤坂晴翔
赤坂晴翔
俺はお前がいい奴だって知ってる。
赤坂晴翔
赤坂晴翔
そんなお前だから気持ちさえ伝えればうまくいくはずだ。
気持ちを伝えろと言われて、びっくりしたけど。

それ以上に僕は嬉しかった。

…彼が僕のことをいい奴と、当たり前のように言ってくれて。
それが何よりの心の支えとなって…。
…僕は終業式、告白をした。
ずっと貴方が好きでした。
それだけを言うために彼女が出てくるのを待っていた。
…左手にはオーダーメイドの帽子がある。

彼女が帽子が欲しいと言っていたから、プレゼントにだ。
職人さんに頼むとなると高くなるし、オーダーメイドだと尚更だ。
しかし、僕はそれが気にならないぐらい彼女に夢中だった。

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