カタカタとなり続けるゲーム機の音
「ウォヌ氏ー?いつになったらゲーム終わるんですか?」
「んー」
このやり取りをし続けて1時間
ゲームが苦手な私は一緒にゲームする事ができない
だから、いつも彼の背中を見つめる
でも、構って欲しいなって正直思う
「ねぇーウォヌーかまってー」
「んー」
「ウォヌのパボー」
「んー」
だめだ
何言っても同じ言葉しか返ってこない
「もう知らないウォヌなんか嫌い」
「俺は好きだけど」
そんなこと言うなんて思ってなくて
ぱっと顔を上げるとじっとこちらを見る彼
「いじけてるあなたが可愛くて、ちょっといじめたくなった」
「ごめんな?おいで」
そう言いながら両手を広げるウォヌに飛びつく
「構えばか」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!