第2話

俺はただの不良
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2019/07/24 16:01


午前8時

小鳥たちが歌声を広めていく中


母、和恵
母、和恵
魁斗!
起きなさい!
俺の一日はこの一言で始まる


魁斗
魁斗
うっせーな
あのババア、もう少し寝かせろよ
  




なんて言ったらババアに殺されるから
心の中に秘める



カーテンから差し込む光で
まぶたが開いた


長い前髪が邪魔になってかきあげる







俺は橘 魁斗。


現在16歳で蒼生高校の2年生だが

不登校になっている



つまり「不良」だ




家庭的に自慢じゃないけど
俺ん家は相当の金持ちで
職を見つけるのは苦ではない為

両親は何も言わなかった



俺としては都合がいいけどな







1階に降りると

親父がコーヒーを飲んでいた



今日は仕事が休みらしい






父、寛馬
父、寛馬
おはよう、魁斗。
....寝癖がすごいぞ
魁斗
魁斗
あぁ、分かってる


ババアには反抗するけど


親父はキレると怖いから
何も言わない




学校に行かないと言った時
何も言わなかったのは感謝している








父、寛馬
父、寛馬
はあ....高校生殺人か

可哀想に....


テレビで流れている殺人事件のニュースを見て
表情を暗くする親父



遠いところで起きているだけマシだ





テーブルに置いてあるコーヒーを1口啜ると
親父が俺をじっとみていた







父、寛馬
父、寛馬
なぁ、魁斗。
今日用事あるか?
魁斗
魁斗
ん?ないけど


親父が口角をあげた



一言で言えば気持ち悪い
背中に冷たい汗が流れる


キッチンを見るとババアも
こっちを見ていた


監視するかのように


なるほど、2人とも前から話をしてるな



嫌な予感がする



前もこういうことがあった

俺は観念し、大人しく親父の話を聞くことにした
父、寛馬
父、寛馬
実はな....またバイトの勧誘だ
お前に会いたいっていう人がいてな


ほら当たった。


親父の知り合いには店営業をしている人が多く
俺の話をする度に
会わせて欲しいと言われるらしい



親父は断りきれず

いつも俺が断っている


一体どんな、俺の話をすれば
こんなにバイトの勧誘が来るのだろうか

不思議でたまらない



正直にいえば

絶対に行きたくないと思う

行くならゲームしておきたいところだ

まだ、アクションゲームをクリアしてないんだ





そう思っているとババアが口を開いた



母、和恵
母、和恵
いいじゃない。
寬馬も休みだし家族全員で行きましょ?
魁斗
魁斗
(ババア、余計なこと言うなよ!!!)


当然、俺の話は聞き入れられず

話はだんだん進んで行った



あぁ、分かってる

この夫婦の話のスピードは怪物級だ





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