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第11話

潔癖教師はあなどれない!

清井しずい先生の靴音だけが教室に響き渡る。

清井先生
清井先生
これより手荷物検査を始めます
では皆さん、各自見えやすいように
机の上に鞄を広げて下さい
心美
心美
ごくり…

ゴソゴソとみんなが鞄を広げる中、私はこっそりと
遊佐くんのパンツをバッグの内ポケットへと隠した。

チャックを閉めたけど、少し膨らんでいるのが心もとない。

清井先生
清井先生
ではこの2列から
順に見ていきましょう

コツリ、コツリ、コツリ…


先生の足音が近づいてくると同時に、私の鼓動は速くなっていく。

なんだか口の中が乾いて息が詰まるようだ。

スケベアーたちもブルブルと震えている。
心美
心美
(スケベの神様どうかお願いです……
遊佐くんのパンツだけは!どうか!!)

コツリ…コツリ。


ちょうど真横、風助くんの席で先生が足を止めた。
清井先生
清井先生
…これは?

まるで見せつけるように掲げられたのは小さな箱。

極薄ごくうす0.03」と書かれたその箱に教室がざわめいた。
心美
心美
(ふ、風助くん?!ななななにを持ってきてるの?!それも箱ごとって…!)

たしかアレは保健体育で習った……!!
風助
風助
それがなにー?
清井先生
清井先生
君は……
学校で不純な行為をするつもりですか?

清井先生の冷めた目は風助くんをじっと見つめる。

風助
風助
いざってときに女の子を
傷つけないように持ち歩いてんだよ
そうゆーの大事だろ?
清井先生
清井先生
……質問に答えなさい
不純な行為を学校で
するつもりなのかと聞いているんです
風助
風助
ああ?
そんなの別にアンタには
カンケーねぇだろ?

2人の間にピリリとした空気が流れる。
清井先生
清井先生
ひとまずこれは没収です
放課後、生徒指導室へ来なさい
風助
風助
……ちっ

ふてくされた風助くんのまわりで
リセイウチが大騒ぎしているのが見える。

案外あっちの方の仕事が多くて離れられないのかもしれない。


くるりとこちらを向いた先生と目が合って
ドクリと心臓が跳ねた。

何を考えているかわからない目に背筋が冷える。

……次は私の番だ。
清井先生
清井先生
…………
心美
心美
……っ!

コツリ、

鞄を覗き、そのまま通り過ぎていく足音に胸を撫で下ろしたその時ーー
清井先生
清井先生
助平さん
心美
心美
ひゃい!?
清井先生
清井先生
その内ポケットは……
心美
心美
へ…?!
清井先生
清井先生
……いえ、なんでもありません

先生はそれ以上何も言わず、また生徒の鞄チェックをへと戻った。



そしてチェックが終わる頃、教壇には山のように没収物が積み重なり教室はまるでお通夜ムード。
心美
心美
(よ、よかった……!!遊佐くんのパンツが没収されなくて)
風助
風助
はぁーーー…
スケベちゃん
カワイソーなオレを慰めてよ
ほんとやってらんねぇー
心美
心美
(これも注目を集めてくれた風助くんのおかげかも。もしかしてわざと?……なワケないよね)


私はひっそりと隣でうなだれている彼に感謝した。












――
――――
心美
心美
ってことがあってね…!

昼休みの誰もいない屋上。

この1月の寒い時期に、この場所に来るもの好きは
私たちくらいだ。

何者にも邪魔されない遊佐くんとの秘密の場所。

遊佐
遊佐
今朝の男、教師だったのか
心美
心美
教師じゃないよ、あれは悪魔だよ!
本当、遊佐くんのパンツが
見つかったらどうしようかと…
遊佐
遊佐
あれ……
パンツ、持ってきてないって
言ってなかった?
心美
心美
あ…
遊佐
遊佐
心美、こっち来い
心美
心美
わ!


ぐっと引き寄せられ、彼の足の間にすっぽりと囚われてしまう。

まるで包み込むように後ろから抱きしめられて、
彼の体温で背中がじわりと温まっていく。
遊佐
遊佐
ウソついたのか?
心美
心美
だって……恥ずかしくて、つい
遊佐
遊佐
へえー?恥ずかしい?
スケベなお前が?
心美
心美
ス、スケベだって恥ずかしくなる
ことくらいあるよ

こうやって遊佐くんに抱きしめられてるだけでも
十分心臓はうるさいのに。

遊佐
遊佐
ふーん?
どうすれば恥ずかしがんの?

これは私の反応を楽しんでいる時の声。

ドSの遊佐くんがまた目を覚ましたみたい。


遊佐
遊佐
これは?

かぷっと耳をかじられて、背筋に何かが走った。
心美
心美
ひゃあ!
顔が急に熱くなって、スケベアーたちもワチャワチャと騒ぎ出す。

心美
心美
い、今耳…噛んだ?
遊佐
遊佐
だってお前の耳
真っ赤になってて美味そうだったから
心美
心美
美味そうって……!

意地悪な声が耳元をくすぐって、今にも鼻血が出そう。

それと同時に、なにか仕返ししたいという気持ちがむくむくと湧き上がって私は彼の綺麗な指に目をつけた。
心美
心美
遊佐くんの指だって
細くて長くて美味しそう…
遊佐
遊佐
は?

彼が油断した隙に人差し指をぱくりとかじる。

遊佐
遊佐
っ!!

びくりと跳ねた彼の反応がなんだか愛しくて、可愛くて、後ろを振りかえると……

遊佐
遊佐
お前、まじ…ゆるさねえ
少し頬の染まった彼に胸のあたりがギュンとして
思わず鼻血が溢れ出した。
心美
心美
遊佐くん、大好き

鼻血とともに溢れ出した自分の言葉に
またカッと顔が熱くなった。
遊佐
遊佐
知ってる

そう言って満足そうに笑う彼。

こんな時間が永遠に続けばいいのに……。







コツリ、コツリ…


忍び寄る悪魔の靴音に
この時の私たちはまだ気づかない。