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第3話

すれ違いと心の距離
こちらを睨みつける遊佐くん。

私はと言うと、許嫁兼スケベ転校生に押し倒されて、
キスをされたところも見られてしまったーー。

浮気の証拠は揃ってる。


しばらく状況整理に時間がかかって…
はっとして、上に乗っている風助くんを思い切り突き飛ばした。
心美
心美
離して!
風助
風助
うわっ!!

風助くんはソファから転げ落ちて尻もちをつく。
遊佐
遊佐
あー、いいよ
俺は帰るから、続き楽しんだら?
 
冷たい言葉を残し、遊佐くんはドアを閉めた。

待って、誤解なの……!

そうやって叫ぼうにも、かけられた言葉が苦しくて声がでない。

じわりと滲んだ涙をぐっと堪える。
心美
心美
(だめ…泣かない!泣きたいのはきっと遊佐くんの方だ)

あんな場面見たら、誰だって誤解する。

それに私、遊佐くんとの約束まで破ってどうしてこんな…。

私は鼻血をぐっと拭って立ち上がった。
心美
心美
行かなきゃ
風助
風助
おい、!
心美
心美
ごめん、私は遊佐くんが好きなの
だから邪魔しないで
スケベアー
スケベアー
アナタね!?
さっきから黙って聞いてれば!!
心美
心美
わ?!

飛び出してきたのは真っピンクのスケベアー。

この子は確か、風助くんの……?
スケベアー
スケベアー
風助、もうアタシ怒ったから
大事な約束を覚えてないこんなバカ女
待ってられないわよ
風助
風助
待て、言うな!
スケベアー
スケベアー
もごっ!!もごごご!!
風助
風助
あー、コイツ何言ってんだろーね
スケベちゃんはほら、
早くカレシ追いかければ?

風助くんは慌ててなにかをごまかそうと、私を保健室の外へと閉め出した。

















心美
心美
待って…



人気の無い廊下。

足早に歩く遊佐くんは、待ってと言っても止まってくれない。


私はどうしていいかわからずに、彼の手首を掴んだ。
遊佐
遊佐
離せよ
心美
心美
…嫌だ

振り返ってくれない彼、そして何も言えない私の間に沈黙が流れた。

やけに静まり返った夕暮れ時が寂しさを助長する。

手が震える。

それに、今何を言ってもきっと彼は信じてくれない。
心美
心美
うっ、あの……

言葉が詰まって出てこなくなった。

すると遊佐くんはこちらを振り返って
苦しそうな顔で私を見下ろした。
遊佐
遊佐
お前が倒れたって聞いて
保健室行ったら、ああだもんな
遊佐
遊佐
俺には隠れてコソコソやってたんだろ
正直無理だわ、そんな彼女

彼のきつい言葉が胸に突き刺さる。

泣きたくないのに、また涙がこぼれそうになった。
遊佐
遊佐
泣きたいのはこっちなんだけど
心美
心美
泣かない…!
それにあれは誤解で…
遊佐
遊佐
じゃあ何、
誤解ならキスしていいってわけ?
彼氏以外のやつと

言葉がない。

そうだよね、キスは防げたはず。

どうしてあの時……後悔ばかり押し寄せてきて
情けなくて、涙を堪えるのに必死だ。
遊佐
遊佐
そうだこれ
今日渡そうと思ってたんだけど

遊佐くんがポケットから出したのは
シンプルなペアリングだった。

透明なケースの中で、シルバーリングが並んでいる。
心美
心美
これ……

顔を上げると、悲しそうに彼が笑った。
遊佐
遊佐
でももうこれ、要らないな

ゴトンーー…


彼は放り投げるようにして、ゴミ箱にペアリングを捨てた。

焦ってゴミ箱へ駆け寄ろうとした私を
彼がとっさに捕まえて抱きしめる。


え……?

突然のことに頭が回らず、
そのまま身体を預けることしかできなかった。
いつもならお祭り騒ぎのスケベアーたちも
今はすごく大人しい。
心美
心美
遊佐く…ん…?
遊佐
遊佐
ごめん、俺今すっげえムカついてんだ
お前にも、あの男にも
……すげぇ感情的になってる
遊佐
遊佐
俺、勝手に舞い上がって
プロポーズまでしたけどさ、
お前の気持ち置いてけぼりにしてた?
遊佐
遊佐
でも自分が止められないんだ
さっきの、誤解だとしても許せない
遊佐
遊佐
お前が好きだから

遊佐くんの声がかすかに震えていて……。

自分のしでかしたことが
どれほど彼を傷つけたか分かった。
遊佐
遊佐
お前ら二人、なんか隠してんだろ? 
それが俺に関係ないことでも、 
お前は俺の彼女なんだからって……
耐えきれないほど悔しいんだ
心美
心美
それは…

息苦しいほど抱きしめられて、彼の気持ちが伝わってくる。
遊佐
遊佐
ごめん、今の俺冷静じゃない
これ以上感情に任せて
お前を傷つけたくないから
遊佐
遊佐
…‥俺ら、距離おこう


優しいキスがおでこに降ってきた。

彼の体温が離れていくと同時に、鼻血の代わりに涙がこぼれ落ちた。

そうか、私は大好きな人を傷つけたんだ。