バスを降りるとそこは白銀の世界だった。
眩しいほどの白一色で、まっさらな雪の上を歩くのはなんだかもったいない。
でも今の私はこの雪さえ全て溶かしてしまいそう。
スケベ妄想に熱中していたら、
あっという間に夕食の時間がやってきた。
和室の大広間では、生徒たちが絶品の懐石料理を楽しんでいる。
その中で清井先生は少し声を張った。
正直ご飯の味なんて分からなかった。
だって今夜のスケベで頭がいっぱいだもん。
さっちょんの瞳にはメラメラと炎が燃え上がった。
カッポ――――――ン…
大浴場はまだ人が少なくて、存分に作戦が練れそう。
身体を洗って露天風呂へと進むと、ひやりと肌寒く
真っ白な湯気が立ち上っていた。
相変わらず大きいさっちょんの胸。
じろりとそのたわわな胸を睨むと、ドヤ顔をされた。
く、悔しい……!!!
勢いよく立ち上がると、
さっちょんはくすくすと笑った。
遊佐くんとのめくるめく夜に覚悟を決めた時、
ふと仕切りの向こう側から男子の声が聞こえてくる。
……ゆ、遊佐くん?!!
何やらすごく気になるやりとりが聞こえてきて、
思わず耳を澄ます。
スケベアーたちがドンドコ興奮し始め、
自然と鼻息も荒くなる。
そして私は見つけてしまうーー
仕切りの壁に空いた小さな穴を。
止めようとしたさっちょんはすぐに黙りこんだ。
なぜなら光くんの声が聞こえてきたから。
おそらく真っ赤になっているであろう光くんに、
さっちょんも興味津々みたい。
こっそりと穴を覗きこむと、湯気で視界ははっきりしない。
でもシルエットは私の大好きな遊佐くんのもの。
そして、男子の影が遊佐くんに近づいて……
ズコーーーッ!!
な、なんだ、胸筋……筋肉のことかーー!!
ずっこけた私を押しのけて、
さっちょんも身を乗り出して穴を覗いた。
そしてすっかりのぼせあがった私たちは
急いでお風呂から上がった。
少し蒸し暑い脱衣所。
私の勝負パンツは跡形もなく消えていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。