第17話

男湯、覗いちゃいました!?
バスを降りるとそこは白銀の世界だった。

眩しいほどの白一色で、まっさらな雪の上を歩くのはなんだかもったいない。


でも今の私はこの雪さえ全て溶かしてしまいそう。
心美
心美
(だって今夜はキスのその先に……!
考えただけで心美、ムラムラします!)


スケベ妄想に熱中していたら、
あっという間に夕食の時間がやってきた。

和室の大広間では、生徒たちが絶品の懐石かいせき料理を楽しんでいる。

その中で清井先生は少し声を張った。
清井先生
清井先生
皆さん、明日のタイムスケジュールは
しっかり頭に入っていますか?
夕食の後は自由行動です。
各自入浴は早めに済ませるように!

正直ご飯の味なんて分からなかった。

だって今夜のスケベで頭がいっぱいだもん。
紗季
紗季
心美? 何ぼーっとしてんのよ!
食べたら早めに露天風呂で
作戦会議するって言ったでしょ?
心美
心美
あ……そうだった!
紗季
紗季
その後は清井先生の部屋を確認しなきゃ
敵情視察よ!
心美
心美
そうだね、早くお風呂行かなきゃ!
それにしてもやる気満々だね
紗季
紗季
私だってこの旅行で"確実"に
光くんをゲットするんだから!
さっちょんの瞳にはメラメラと炎が燃え上がった。







カッポ――――――ン…


大浴場はまだ人が少なくて、存分に作戦が練れそう。

身体を洗って露天風呂へと進むと、ひやりと肌寒く
真っ白な湯気が立ち上っていた。
紗季
紗季
早くおいでー!

相変わらず大きいさっちょんの胸。

じろりとそのたわわな胸を睨むと、ドヤ顔をされた。


く、悔しい……!!!
紗季
紗季
……で、私の情報によると、
どうやら遊佐と光くんは同じ部屋。
男子部屋はひとつ上の4階でしょ?
西と東の階段は夜10時以降は
何人かの先生が見張ってるらしいわ
心美
心美
じゃあ10時前に忍び込むってこと?
紗季
紗季
そうよ
でもその前に一番の危険人物
清井先生を部屋に閉じ込めなきゃ
心美
心美
それ本当にうまくいくの?
バスの中でも話したけど
フロントの人に鍵借りるんだよね?
生徒だってバレちゃうよ……
それに仮に作戦が成功したって、
バレたらその後が怖いよ!
紗季
紗季
そんなこと言ってたら
チャンス逃しちゃうわよ?
今夜、遊佐と過ごしたくないの?
心美
心美
それはもちろん!!!

勢いよく立ち上がると、
さっちょんはくすくすと笑った。


遊佐くんとのめくるめく夜に覚悟を決めた時、
ふと仕切りの向こう側から男子の声が聞こえてくる。
男子
おい、遊佐お前……!
遊佐
遊佐
あ? なんだよ
男子
はーーー俺自信なくしたわ
お前の……でか!
遊佐
遊佐
おいちょっと、やめろ!


……ゆ、遊佐くん?!!


何やらすごく気になるやりとりが聞こえてきて、
思わず耳を澄ます。
遊佐
遊佐
っ、そんなジロジロ見んなよ
気持ちわりぃな
男子
やっぱりモデルやってると
そこも大きくなきゃいけねーの?
遊佐
遊佐
はあ? 関係ないだろ
心美
心美
(お、大きい?! な、何が?!!)


スケベアーたちがドンドコ興奮し始め、
自然と鼻息も荒くなる。


そして私は見つけてしまうーー
仕切りの壁に空いた小さな穴を。
紗季
紗季
ちょっと心美何してるの!
心美
心美
しーーー!
遊佐くんが向こう側にいるの!
紗季
紗季
でも、覗きなんてさすがに……

止めようとしたさっちょんはすぐに黙りこんだ。
なぜなら光くんの声が聞こえてきたから。
男子
おいおい、双子って
あそこの大きさも似るもんなの?
光
うわぁ!!やめ……嫌だ離せ!!

おそらく真っ赤になっているであろう光くんに、
さっちょんも興味津々みたい。
紗季
紗季
こ、こんなところに
穴が空いてるのがいけないのよ
次、交代してよね?
心美
心美
さっちょんもすっかり
スケベ女子の仲間入りだね
紗季
紗季
やだ、心美と一緒にしないでよ
心美
心美
そんな嫌そうな顔しなくても…

こっそりと穴を覗きこむと、湯気で視界ははっきりしない。

でもシルエットは私の大好きな遊佐くんのもの。
遊佐
遊佐
ったく、わかったよ!
俺のちょっと触らせてやるから!
俺のが大きいから
光
は、はあ?!
お前には負けないからな!
心美
心美
え?! さ、触らせるの?!
男子
まじかよ!
御利益ありそーー!
心美
心美
嘘でしょ
ご、ごくり……

そして、男子の影が遊佐くんに近づいて……
男子
うわっ、ずっげえ固い!
遊佐
遊佐
まぁプロテイン飲んで鍛えてるからな
胸筋なんて、結構すぐ育つぞ?


ズコーーーッ!!

な、なんだ、胸筋……筋肉のことかーー!!

ずっこけた私を押しのけて、
さっちょんも身を乗り出して穴を覗いた。

紗季
紗季
ん? あんまり見えないじゃない
…って、心美あんた鼻血出てるわよ!
ぷっ、興奮し過ぎでしょ
心美
心美
え……わ!!



そしてすっかりのぼせあがった私たちは
急いでお風呂から上がった。









心美
心美
あれ?……ない!
心美
心美
(私のパンツ……!!今日のために用意した勝負パンツが……ない?!)



少し蒸し暑い脱衣所。

私の勝負パンツは跡形もなく消えていた。