第29話

神山side
1,032
2018/06/23 13:49
聞き飽きるほど聞いた曲。


でもいつ歌ったんが最後か思い出せへん、なんか、懐かしい曲。




ほんまに、



大切な曲。






ー二人歩く帰り道 嬉しそうに君が笑うから


ーまだ言えなくて残っているこの気持ち届けなきゃ




ー大切なのは君がいること




ーもしも君が涙し辛い時は 僕が君のために笑おう


ー今は声にせず その手を握るよ







ーそばにいて






いつの間にか握られていた右手に、ぽたぽたと涙が落ちる。








重岡
この曲な?なんか神ちゃんのこといっつも思ってまうねん。
しげはそう言って恥ずかしそうに笑った。


重岡
俺らよお一緒に帰ったし、歌詞、ぴったりやん?


涙を流しながら、うん、と頷く。



重岡
神ちゃんが辛い時は、俺がそばにおる。

7WESTになった時から、そう決めてたんや。


神ちゃんも、いつだって俺の隣にいてくれた。


これからも、ずっとそうであってほしいねん。



そばに、


おってほしいねん。



涙をぽろっとこぼしていったしげを、まともに見れなかった。





真剣に僕を思ってくれて、


こんな僕を、諦めないでいてくれるしげに、




感情のままに怒鳴って、後悔するようなことを言ってしまった自分が情けなくてしょうがなかった。

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