第54話

重岡side
971
2018/08/14 13:56
いつも通りのレッスンで、いつも通り厳しい振り付けの先生。

先生、最後まで怒るんやなぁ(笑)



時々休憩もしながらレッスンは続いて、あっという間に昼ごはんの時間。


小瀧
もーあかん!!めっちゃ腹減った!
小瀧が昼休憩になるなり大声で叫んでる。



いつからか、7人が集まってご飯を食べるのが当たり前になってて、やっぱり今日も7人で円になる。


今日はみんなどんなお弁当なんやろうって、みんなのご飯見るのが俺の楽しみ。

重岡
淳太君今日は巻き寿司?
それぞれがお弁当を取りに行って最初に帰ってきた淳太君はコンビニの巻き寿司。

淳太君は大体コンビニで買った弁当。

たま~に張り切って自分で作ってきたこともあったけど、失敗作やったな!
中間
何が失敗作や!
うわ、聞こえとった。


中間
流星のはいつもおしゃれやな
淳太君に言われた流星の今日のお弁当は、お母さんの手作り。

最初のうちは流星もコンビニのパンとかやったけど、僕がおかんに作ってもらってるって話を家でしたら、流星のお母さん、「じゃあ私も!」って。


流星のはいつもデザートが別でついとって、メロンとか入ってるし、なんかおしゃれやねんな。



濱ちゃんと照史君は手作り。

濱ちゃんは晩ごはんの残り物が多い。

照史君は本見て作った力作。まぁ、大体名前がカタカナでよぉ分からんメニューばっかり。


神ちゃんはお母さんが神ちゃんの体を考えて作った健康志向なメニュー。

神ちゃんのお弁当は僕も食べれることが多いから味見したりする。


小瀧もお母さんの手作り。

でも、小瀧だけなんかテイスト違うねんなぁ。

なんか、可愛らしいねん。

小瀧のおかん、小瀧のこと一体いくつや思ってんねやろ?(笑)




そして俺!

入所してからずっと、僕はおかんの手作り弁当。

おかんが頑張って工夫して作ってるから、照史君はいっつも僕のお弁当羨ましがる。


思い返せば、いろんな弁当やった。

僕の食べれる食材で、同じものがかぶらんように一生懸命考えて、

たまに箸がなかったり、ご飯入ってなかった時はさすがに焦ったけど。




朝起きて、おかんが弁当作ってる時のあの優しい顔や、優しい背中を、


きっと、僕は一生忘れない。




どこかでずっと続くような気がしてたこのお弁当も、


今日で最後やねんな。




おかん、


ほんまにありがとう。



今日の弁当も、めっちゃおいしかったよ。

プリ小説オーディオドラマ