淳太君に言われた流星の今日のお弁当は、お母さんの手作り。
最初のうちは流星もコンビニのパンとかやったけど、僕がおかんに作ってもらってるって話を家でしたら、流星のお母さん、「じゃあ私も!」って。
流星のはいつもデザートが別でついとって、メロンとか入ってるし、なんかおしゃれやねんな。
濱ちゃんと照史君は手作り。
濱ちゃんは晩ごはんの残り物が多い。
照史君は本見て作った力作。まぁ、大体名前がカタカナでよぉ分からんメニューばっかり。
神ちゃんはお母さんが神ちゃんの体を考えて作った健康志向なメニュー。
神ちゃんのお弁当は僕も食べれることが多いから味見したりする。
小瀧もお母さんの手作り。
でも、小瀧だけなんかテイスト違うねんなぁ。
なんか、可愛らしいねん。
小瀧のおかん、小瀧のこと一体いくつや思ってんねやろ?(笑)
そして俺!
入所してからずっと、僕はおかんの手作り弁当。
おかんが頑張って工夫して作ってるから、照史君はいっつも僕のお弁当羨ましがる。
思い返せば、いろんな弁当やった。
僕の食べれる食材で、同じものがかぶらんように一生懸命考えて、
たまに箸がなかったり、ご飯入ってなかった時はさすがに焦ったけど。
朝起きて、おかんが弁当作ってる時のあの優しい顔や、優しい背中を、
きっと、僕は一生忘れない。
どこかでずっと続くような気がしてたこのお弁当も、
今日で最後やねんな。
おかん、
ほんまにありがとう。
今日の弁当も、めっちゃおいしかったよ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。