第43話

重岡side
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2018/07/21 13:47
重岡
話したいことがあるねん
リビングに行ってそう言うと、おとんとおかんは「どうしたん?」と向き合ってくれた。



重岡
これまでずっとな、考えてきた。

僕ももう21やし、いつまでもおとんとおかんに世話焼いてもらうんあかんと思って。

一人暮らしできればええなって思ってんけど、でもそれは無理そうやし・・

やから、もしみんなが賛成してくれたら、メンバーと一緒に生活したいねん。


一人になりたい、そんなんじゃなくて。


僕やってもう大人やし、ちゃんと親から離れても生活できるようにしたい。



いつまでも、おとんとおかんに甘えてばっかりじゃだめなんや。





メンバーと一緒に生活するようになれば、自分の健康管理も、これまでおとんとおかんがしてくれてたこと全部、自分でするだけじゃなくて、メンバーのことだって気が付かなきゃいけなくなるのは分かってた。




でも、もっと強くなりたい。





僕のいったことに、おかんは口をぽかんとあけて動かなかった。



お父さん
お父さんは反対せえへん。
おとんの言葉に顔を上げると、

「でも」と僕を見た。
お父さん
当たり前やけどメンバーのみんなが、ちゃんと同意したらの話やで?

大毅は病気や。大毅をちゃんと支えられるような人じゃないとあかんし、
大毅はみんなに迷惑かけんようにせなあかん。

楽なことじゃないんやで?

メンバーのみんなも、



大毅も。
そう言ったおとんに頷くと、おとんはにこっと笑った。


お父さん
じゃあ、メンバーと話し合ってみたらええ。

大毅の言うことなんやから、えらい考えた結果やろ?もうむちゃくちゃに考え込んだやろ
そう言いながら頭わしゃわしゃ撫でられて、頷くと、「そうやろうな」って笑ってた。


ふと、何も言わないおかんと目が合うと、おかんは笑ってくれた。


お母さん
ほんまにデビューおめでとう、大毅の決めたことなんやったら、頑張り?


涙を必死に隠して、笑うおかんに、胸の奥が熱くなった。



優しく頭を撫でてくれるおかんに、「頑張る」、そう呟いた。

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