第6話

重岡side
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2018/05/30 12:54
スタッフさんに呼ぶまで部屋で待ってほしいと言われて部屋に入ると、照史君が先に着いていてアンケートを書いていた。


桐山
しげ~、久しぶり。元気やった?
照史君はニコッと笑うと、僕に手を振った。


その笑顔と、優しい声に、ふわっと包み込まれたような気がして、安堵から涙が溢れそうになったけど必死に我慢した。




照史君はアンケート書いてるけど、おかまいなしで照史君に抱き着いた。


いつもしてることやし照史君も不思議がらない。






あったかい背中は、大きくて、照史君の匂い。




そのぬくもりは、さっきまでの気分の悪さを全部消してくれた。





照史君は強いから、きっと僕のこと守ってくれる。

きっと、僕の抱えてるものだって、全部持ってくれる。




心からそう確信できることが、幸せで、心の底から安心した。





重岡
なぁ・・・
僕が話しかけると、照史君は優しく「どうしたん?」って聞いてくれる。
重岡
だいじょうぶ・・・って、言ってやぁ・・・


そんな自分の声は、震えてた。


涙が、今にも溢れそうだった。




自分でも、何をお願いしてるのかと意味が分からんかったけど、

照史君は何も聞かずに僕の手を強く握って、


何度も何度も、「大丈夫や」って言ってくれた。





照史君に、そう言ってもらいたかったんや。



僕を大好きでいてくれる人に、


僕を守ってくれる人に、



ただ、「大丈夫」って、言ってほしかったんや。






大好きな人の言葉なら、きっと、絶対やから。

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