第33話

小瀧side
1,058
2018/07/11 14:12
会議室に入ると3人のスーツを着た男性がいた。

若い人と、僕のお父さんぐらいの中年の人。


7人でお辞儀すると、中年の男性が「話っていうのは?」と聞いた。



真ん中にいたしげが、まっすぐにその人を見て口を開いた。


重岡
・・・4人じゃなく、7人でデビューしたいんです。
この7人でデビューさせてください。



しげの言葉に、若い人は「はぁ?」と声を出した。
「」
何を言ってるんだ!?もう決まったことだろ!?
「」
そうだ、第一選ばれなかった人をなんで入れたいと思う!?
そう言っては「信じられない」と怪訝な顔。




「」
・・・なんでだ?



若い男性がため息をついて静かになった部屋に、そんな声が響く。

7人でデビューしたいとしげが言っても動揺しなかったその人に、僕らの空気が変わる。



中間
僕らはこの3人とずっと一緒にいます。やからいいところも悪いところも知ってるし、才能だって分かります。
僕ら4人、誰も持ってないものを、3人はみんなそれぞれが持ってる。
中途半端じゃなく、いいグループにしたいんです。


淳太君が言うと、若い男性は鼻で笑ってたけど、淳太君の言葉をまっすぐに聞いてた男性は「そうか」と頷いた。

濱田
あの・・お願いします。僕らも一緒にデビューさせてください。
ちょっと緊張したような声は濱ちゃん。

みんなの視線が濱ちゃんに向く。

濱田
こんなこと理由にはならへんけど・・重岡と小瀧はご存じの通り病気です。
支えられるのは7人じゃないとできひんし、そりゃ二人は俺らがおらんくてもできると思うけど、俺らはそばにおりたいっていうか・・あの・・
うまくまとめられなくなって結局何が言いたいのか分からなくなって、唇を噛んで頭を掻く濱ちゃんの肩を照史君がポンッと叩いた。
神山
7人ずっと一緒にいたいです。

7人ならきっと、いろんな景色を見れるから。

お願いします。
神ちゃんが頭を下げる。


「」
重岡、お前はセンターになる。これから人数増えて、やっていけるか?
そう聞かれてしげは頷いた。
重岡
はい、できます。

7人一緒なら。


そう答えたしげに、その人は「分かった」と頷いて全員が顔を上げた。


「」
今すぐには決められない。決まったら報告する。ただ、その思いはちゃんと届いたからな。



そう言われて嬉しさで今にも出そうな声を押さえて、


ー「ありがとうございます!」


7人全員で頭を下げた。

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