夜ご飯を食べ終わった後、疲れ切ってるはずやのに眠れるような状態じゃなくて、4人で集まった。
意見は二つに割れていた。
腹をくくった、俺と淳太君。
諦めない、しげと望。
淳太君が言うと、望が寂しそうに頷いて、「照史君も?」と僕を見た。
そう言うと、望は俯いて「そっか・・」と呟いた。
ずっと黙っているしげに、淳太君が尋ねると、しげは「うん・・」と頷いて顔を上げた。
僕らが「でも・・」と言っても、それでも頑なに言いはるしげに、胸の奥が熱くなった。
正直、上の人の意見に逆らえないことは重々分かってて、
やからこそ腹をくくったんやけど、
でも、
僕らの約束は軽はずみでしたものじゃないし、
子供みたいにただ小指を結んだわけじゃない。
7人で、デビューという夢を追いかけてきた。
出来ることを一生懸命やった。
それは、
自分だけがデビューしたいから、
そうじゃなくて。
7人で、デビューしたいから。
俺も、諦めたら、あかん。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。