第9話

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2020/09/02 12:00
ちょっ…あの…

さっき海青さんに連れてこられた女性に

ぐいぐい袖を引っ張られながら

僕は裏のソファに強引に座らされた。



女性は反対側の1人がけソファに

勢いよく腰を降ろして僕を見つめてる。
.
ふぅん。イケメン
あの…お名前なんですか…?
.
あ、ごめん笑
私あなた
あなたさんも可愛いっすよ…!

ダンスをしたいというのが第1の目的で

この店に入った僕からしたら

実際バーテンって何をするのかわからなくて

このあなたさんて人とも

そんなに関わらず終わるんだろうと思って

これが僕の精一杯会話を繋いだ一言だった。
あなた
無理に言わなくていいのに笑
無理にではないですけど…
あなた
じゃせめて私の前では素直でいな?

この一言を聞いてびっくりした。



なんかあなたさんに今までの仕事っぷりを

見られてたみたいで図星をつかれた感じ
あなたさん、エスパーっすか?
あなた
ははっ、なんかほんと新人って感じだね〜
あなた
海青から聞いてるのよ、慎くん?のこと色々ね
そーなんすか…笑
あなた
イケメンで女の免疫ないのかわいくていいんじゃない?
そこまで知ってるんすね笑
あなた
私みたいになっちゃダメだよ、
みたい…って?
あなた
あ、聞きたい?笑
いや、どっちでも…
あなた
じゃあさ、私の愚痴聞いてくんね?笑

僕はこの事がなかったら今こんなに

あなたさんと仲良くなれてないと思う。



海青さんとの本当の関係

あなたさんの今の生き方

全部をここで知れた気もした。





そしてそれと同時に

あなたさんに惚れてた自分もいる

そんな気もしていた。

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