プリ小説

第5話

夢見心地の
陽翔「あ。」


起きたみたいだ
やべ、勝手に見てちゃ不味かったかな


女の子は若干寝惚けているのか、俺を見たまま何度か瞬きを繰り返した
そして目が覚め、俺の存在に驚いたようでバッと飛び起きたんだけど…


ゴッ…となんとも痛そうな音が聞こえた


「~…っ!」


飛び起きた時に女の子は思いきり桜の木に頭をぶつけ、頭を押さえ痛さを堪えていた

いや、今のは絶対痛いわ
だって痛すぎて声にすらなってないし


にゃーぁ


心配をしてるのか女の子に向かって1回だけ鳴いた子猫

うわぁ…若干涙目…
俺にもなんか責任あるよな
悪いことしちゃったな


陽翔「ごめん、脅かすつもりなかったんだけど…頭ぶつけた所大丈夫?」


俺がそうたずねるとハッとしたように俺を見て、こくこくと頷いた
涙目でまだ痛い筈なのに強がってる女の子
そして俺が持ってるスケッチに目を移した


陽翔「あっごめん。勝手に見ちゃって」


俺は女の子にスケッチブックを返した


「……………」


陽翔「………」


えーっと…何だろうこの沈黙…
怪しい奴だと思われてんのかな


陽翔「えっと、俺この近くに住んでんだけど…あ、名前は陽翔な
うーんと…その子猫って君が飼ってんの?」


「……………」


ん?あれ?反応無し!?
え、警戒されてんのかな!?
俺、そんなに怪しかった!?


だけどしばらくして女の子は俺に向かってパクパクと口を動かす
だけど言葉は聞こえない
え?なに?
何かを一生懸命伝えようと口を動かしてんだけどさっぱり…
普通に喋ればいいのに


俺がキョトンとしてると、少し悲しそうな顔をしてからスケッチブックをめくり鉛筆を手に持って何かを書き始めた


えー…どうゆうこと?
俺はどうしたらいいんだろうか…


悩んでいると書き終えたスケッチブックを俺に見せて来た
なんか書いてあるし…
えーっと何々?
"私、喋れない"


陽翔「え?喋れない?」


思わず聞き返すと女の子はまた悲しそうな顔をして頷いた
喋れないって声が出ないってことか?
だからパクパク口を動かしてたのか
どうして…なんて初対面でさすがに聞けないよな
でもさっき見せた表情からするときっとデリケートな問題だろうな

うーん……


にゃぁにゃぁ


その時、子猫が女の子にすり寄り甘えるように鳴いた
女の子が子猫を撫でると子猫をは気持ち良さそうにしている
それにふいに見せた子猫を撫でる女の子の微かに笑った顔が可愛かった


――…やばい、一瞬で惹かれた…
笑うと可愛い…
これって一目惚れ?
女子に告白される事はあるけど、好きになるのなんか初めてじゃないか
うわぁ…なんか恥ずかしいし…


って、そんな事考えてる暇無かった
俺はこの子と仲良くなりたい!
運動馬鹿はスポーツも恋愛も突き進むのみ!
って事でまずは仲良くなろう!


陽翔「なぁ、名前教えてよ」


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秋月
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