次の日は土曜日
休みって朝好きなだけ寝てられるから良いよな
そして起きたのはいつもと変わらない9時過ぎ
陽翔「ふ…わ~ぁ…よく寝た…」
スッキリ目が覚めけのびをする
なんか喉渇いたな…
昨日の帰りに買った炭酸でも飲むか
部屋着のままキッチンに下り、冷蔵庫を開ける
………あれ?
ここに入れといた筈の炭酸がない…
どこを探しても見当たらない
陽翔「なぁ、ここに入ってた炭酸知らね?」
リビングでテレビを見ている兄ちゃんに聞いてみた
兄「炭酸?あれお前のだったの?
悪い、全部飲んじゃった」
陽翔「はぁ?飲む前に聞けって言ってるだろ」
兄「ちゃんと聞いたよー?お前寝てたけど 笑
反応無かったから飲んだ」
陽翔「寝てる時に聞くなよ!」
兄「だったら名前でも書いとけよ」
名前書いてても飲むだろお前は…
はぁ…炭酸飲みたい…
兄「なんでそんなに落ち込んでんだよ
分かった分かった。金やるから買ってこいよ」
陽翔「…買いに行ってはくれないのかよ」
兄「やだ。めんどくさい」
こうゆう奴でした
まぁ、金はくれたし散歩がてら買いに行ってくるか…
陽翔「じゃ、俺出掛けてくるけど」
兄「おー、いってらっしゃい」
支度をして俺は近くのコンビニに向かった
うわー、眩しいな
今日めっちゃ天気良いじゃん
こんだけ天気良いと体を無性に動かしたくなるな
テニスも良いなーサッカーも捨てがたい
こんな事言ったらまたスポーツ馬鹿って奏汰達に言われそうだ
にゃーぁ…
陽翔「うわっ、ビックリした…」
俺が歩くすぐ横を同じ方向に進む子猫が居た
陽翔「なんだ猫か…いつの間に居たんだこいつ」
俺と同じ方に進んでる子猫
その首には青いリボン
こいつ昨日の帰りにみた猫か
俺と同じ方に行くのか?
まさか俺に着いてきてるとか?
しばらく並んで歩いてると、青いリボンの子猫はふいっと曲がって路地の中に入っていた
陽翔「あれ、一緒には行かないのか」
まぁ、いっか
――――…
店員「ありがとうございました~」
店の外に出てキャップを回すとプシュッと音が鳴り、渇いた喉に流し込んだ
陽翔「お、意外と旨い」
新発売のアップルはちみつサイダー
気になって買ったけどこれは正解だな
昨日は無かったからなんか得したかもな
そして飲みながら帰り道を歩き始めた
そしたらコンビニを出てすぐの塀垣の上に青いリボンをしている子猫が座り込んでいた
にゃーぁ
陽翔「あ、お前。昨日からよく会うな」
これで3度目
なーんか縁でもあんのかな
陽翔「あれ?お前こんなのついてたっけ?」
子猫の首もと、青いリボンの所に1輪の桜の花が刺さってた
昨日も朝もそんなのついてなかったよな
もしかして誰かにつけてもらったのかな
でもこの辺で桜なんてほとんど散ってんのに、あんなきれいなの何処で…
朝、俺と別れた後に誰かが…あの子猫の飼い主かな?
子猫は立ち上がり、塀垣の上を進み始めた
…ん~、こうゆうの何て言うんだろうな
運命?なーんてそんなわけないな
折角だからあの子猫の後をつけてみっか♪
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!