前の話
一覧へ
次の話

第6話

第6章
19
2020/07/30 07:21
春馬
春馬
哲人、まだ起きてるか?少し話そうぜ😁
あなた

春馬…見舞いに来てくれるはずだったよな?

春馬
春馬
ああ、そのことか、確かに見舞いに行くつもりだったけど、
舞と予定が入っちまって。ドタキャンしちまった。

悪いな、ま、野郎が来てもつまんないだろ^^;
あなた

でもその日、俺は窓からお前の姿を見たんだ。

春馬
春馬
人違いだろ、俺は行ってねえよ💦
あなた

今はお前が俺に会わずに帰った理由は分かっている
あとは確認するだけだ

春馬
春馬
何をだ?
あなた

俺が希少な難病だってことをだ。

春馬
春馬
哲人、どうしたんだ?

誰から吹き込まれたのかもしれないが、お前は単なる骨折だろ?
いや、俺はよく分からないが、とにかく、入院生活で落ち込んでいるから
そんなふうにネガティブになるんだ
あなた

皆を救いたいんだ。俺のせいでこんなことになって耐えられない

春馬
春馬
分かった、全部話すよ。
春馬
春馬
そうだ。
俺は先週、病院に行った。
お前の両親がいるのを見ちまってな。
挨拶しようと思って後を追ったら、院長と話しているところだった。
あなた

やっぱり、見舞いに来てくれてたんだな?

春馬
春馬
ああ、そうだ。
そこで、哲人が希少性の難病だと…
さらに治すには海外での高額な遺伝子治療が必要と聞いた。骨折も希少な病気の兆候だそうだ。
その日は、お前にどんな顔をすれば良いかわからなくなって、お前に会わずに俺はすぐに引き返した。
あなた

話してくれてありがとう

春馬
春馬
悪いが、哲人の両親には全く期待できないと思った。
医師の話を聞いた後の憔悴しきった姿も見たよ。
二人でお金のことを話してた、早急に用立てる必要があるがアテが全くないって。
あなた

そうだったのか

春馬
春馬
俺にできる金策は無いかとすぐ考えた。だが、何もあるわけがない。
春馬
春馬
その時、見たのが霊宝探しの依頼だ。
もちろん、怪しいと思ったけど、依頼の報酬は治療費をまかなえるほど高額だった。
だから、俺はすぐに参加の連絡を送った。
今思えば、それが舞が用意したものだったのだが…選択の余地は無かった
あなた

そうか、だから、急に怪しい依頼に飛びついたのか…

春馬
春馬
依頼を受けた直後に、依頼者と名乗るアカウントからすぐに返信が来た。
そして、舞も一緒に来ると言った。舞が俺を心配して来てくれると思うほど、俺も単純ではないが、彼女を説得する時間もなく、俺は舞の同行を許した。
あなた

羽菜も同じなのか?

春馬
春馬
羽菜とはお前の見舞いに行く帰りに偶然会った。

俺は決して羽菜を巻き込むつもりはなかったのだが…
正直かなり強引に付いてこられたから、断ることが難しかった。
あなた

春馬が悪いわけではないよ

春馬
春馬
哲人、お前が何と言おうと、もう戻れないんだ。

依頼者が舞だったとしても、この島に霊宝に価値があることは間違いない。
このまま、進むしか無いんだ
あなた

怪我とかしていないか?

春馬
春馬
俺が怪我…?
春馬
春馬
実はさっき崖を登ろうとしたら、転んでしまって全身を強打しちまってな。
どうして分かったんだ?
あなた

赤い野球帽持っていたよな?

春馬
春馬
帽子…?
なんだよ、急に…なぜ、そんなことを聞くんだ!?

そういえば、帽子をかぶってくればよかったな
あなた

それならいいんだが

春馬
春馬
一つだけ考えていることがあって。
あなた

え?

春馬
春馬
いや、それはいいや
あなた

どうした?何を考えてる?

春馬
春馬
俺を無謀な霊宝探しに挑むアホだと思っていただろう?
お前が思っているほど俺はアホではないw
その俺が言うんだ、まだ勝算があるんだ。このままサポートしてくれ。
あなた

ああ👍

春馬
春馬
戻ったら、今度はちゃんと見舞いに行くぜ。
春馬
春馬
あれ…?風が…?
青い蜃気楼の塔が…また見えた!!
行ってみる。

プリ小説オーディオドラマ