第3話

落し物
798
2021/06/28 22:58

































side . 道枝













































どうもこんにちは


なにわ男子っていうジャニーズのユニットに


所属させてもらってます


道枝駿佑です。


今日はなんかバラエティのゲストになったみたいで


今ちょうど収録が終わったんやけど、


見たことある学生証おちとるなぁと思ったら


まさかのうちので、俺のかな〜って見たら


" 一ノ瀬 あなた "


って書いてあって、そういえば


さっきマネージャーらしき人が


「一ノ瀬〜」って読んでたような気がして。


そういえば同じクラスに


同姓同名がいたような気がして。


...そんな少女漫画的展開あるん??


















































『...すんません』



マネ「ん?」



『今日共演したあのアイドルの子って
俺と同い年だったりしますか?』



マネ「あ〜、あの子ね、この資料にいるから
見てみて〜」



『........同い年や』



マネ「へぇ、めっちゃ可愛いねあの子
なに、堕ちた?」



『え!?いやいやちゃいます!!笑
多分、同じ学校のクラスメイトだと思います』



マネ「...え!?あの子って今めっちゃ有名な
一ノ瀬あなたちゃんだよ!?」



『同姓同名で同じ学校とかあります?』



マネ「えー...いやでも、えー?」



『普段、めっちゃ地味でダサいんすよね...』



マネ「漫画みたいやん」



『ほんまですよね...』


























































車の中で、このどうしようも出来ない学生証と


混乱してるけどほぼ確定なこの状況が


未だに理解できないままだった。


だって、普段メガネかけて低めのツインテした


クラスメイトの女子が、


学校出たら超人気アイドルなんてこと


ほんまに少女マンガから出てきたん?


って疑いたくなるやろ


とりあえず、明日確認しよ、と


マネージャーに家まで送ってもらったあと


俺はすぐ眠りについた。





























































『...』



「...なんか今日顔険しない?」



『え、そ、そう?』



「...なんやその動揺」



『いや?別になーんも』



「ないわけないやろなんや」



『...しつこい男は嫌われるで、長尾』



長尾「うっさいわそれでフラれたねん」



『...なぁ、』



長尾「ん?」



『...少女漫画の主人公か何かが
この3次元に現れることって、ある?』



長尾「.............................病院行く?」



『殴るぞ』


























































クソがつくほど役に立たんあいつ...


呼び出すにしても


周りに違和感持たれたら終わりやし...


誰にもバレずに話せる状況を作るには


やっぱりないわそんな手段!!


あぁもう気になる!!気になるし渡したい!!


...あ、そうや!!メモかなんかに書いて


サッと机の上置いとこう


あの人がなにか落としたことにして!!










































































『 " 今日の昼休み、ちょっと屋上来れる? "
よし、完璧や』



一ノ瀬「...」



『...................あ、なんか落としたで』



一ノ瀬「っえ、あ、ありがとうございm...
え?」



『どういたしまして〜』



一ノ瀬「えっ、ちょっとまっ」



『長尾〜次移動〜?』



長尾「体育やから体育館!!」



『りょー』
























































ありがとう、俺に演技の仕事を


させようと思ってくれた人


演技やと思えば、わりと緊張せんで行けた


後は本人次第


一応学生証のことも書いたから、


来てくれることは来てくれると思うんやけど...


ちょっとの期待とかなりの不安を抱えながら


俺は体育館に向かった
























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