[てつや視点]
てつや「……え?」
目の前にいたのはあなた、
紛れもなくあなた。
やっぱり、メイクしただけでこんなに変わった。
え?って言ったのは変化に関してじゃない。
やたら距離の近い男たちに対してだ。
見た目が変わったからってちやほやして…。
りょうなんてあなたの机に両手を乗っけて
至近距離で話してる。
まぁ、としみつ、りょうはもしかして?疑惑あったからいいとして、ゆめまる。お前はなんだ。
俺のあなたにデレデレしやがって。
お兄ちゃん許さないからな。
てつや「だめ!化粧なんてしたら肌荒れちゃうよ!」
りょう「ええやん、こっちの方が可愛いし。」
としみつ「でもまぁ、このままでいたら変な男寄ってくるしな。」
ゆめまる「じゃあ変な男寄ってこないように俺と付き合…。」
てつや「だめ!お兄ちゃんとして許さないから!お前らはもう、メイクした途端デレデレしやがって!あなたはずっと可愛かったのに!」
目の前で真っ赤になるあなたに気付かずそう言ってしまった。
まるで俺が恋愛感情を持ってるみたいな言い方だ。
メイ「ま、どっちも可愛いのは同感。」
女の子たちもそう言った。
その割に雑誌を開いてこういうメイクもしよ!とか、服はこういうのが〜!って話し合ってる。
しばゆー「お兄ちゃん的にはどっちがいい?」
てつや「お兄ちゃんはメイクしないでほしい。変なの近寄ってくるから。あ!ほら!ゆめまる触るな!」
ゆめまる「いいじゃ…。」
メイ「こら!!!!!!手出すな!!!!!」
りょう「え、こわ。笑」
…としみつがぼーっと、あなたを見ているのに誰も気付かない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。