第37話

登校16日目[としみつ]
607
2020/03/24 14:51
「りょう」聞き慣れた呼び方も好きな子が呼ぶとここまで変わるんだ。

呼び捨ては自分の特権だと思って、油断してた。

りょうが大事な友達ってことも、あなたが好きだってこともわかった今、どうしようもなくモヤモヤして、自分にむかつく。

耳まで赤くなったあなたをなにも考えずに心配してたけど、赤くなった理由がりょうだとは思わなかった。

あなたに行ってこいって言ったのは俺なのに。

後悔した。なんか、情けない。



りょう「ごめんね、もう大丈夫。」

あなた「そっか、よかった。無理しないようにね。」

りょう「次、長い話だから休もうかなって思ったんだけどサボったら嫌われるかなって思って。」

あなた「嫌われる?」

りょう「あなたに、嫌いでしょ?サボったりするの。」



少女漫画かよ。さらっとそんなこと言えるりょうが羨ましい。あなたにそんな顔させられるりょうが羨ましい。



てつや「あー!!もう5分前!!行かなきゃ!!」



てつやの高い声にみんなが振り向いた。


としみつ「そんなでかい声出すな。ほら、行こ。」

メイ「うん、ほらあなたも。」



メイが少し強引に手を引いてあなたを連れて行った。



しばゆー「なーんで急に呼び捨てなのかなぁ?りょうくん。」

てつや「こら!」

ゆめまる「話後にしないと本当に遅れるからな!」

りょう「あとでね。」

出席番号で言えば俺が1番りょうに近いけどそれでも距離がある。聞き出すには無理な距離だ。

…近くても聞き出す勇気なんてないな。

付き合ってるなんて言われたら寝込む自信がある。


トミー「俺が聞こうか?笑」

としみつ「うわ、びっくりした。」

トミー「りょうの近くのやつに席変わってもらうわ、何個かしか離れてないし。」

としみつ「…何もなかった時だけ教えて。」

トミー「代わりにさ、メイにカンタのこと好きなのか聞いてくれない?笑」

としみつ「好きだと思う。」

トミー「やっぱり?聞いてみて。笑」


トミーは楽しそうだった。

俺だって友達の恋を応援、したかった。

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