無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第22話

登校15日目[てつや]
[てつや視点]

宿泊研修当日。

奇数と偶数のチームなので5人チームのとしみつはバスの座席でいうと俺の隣だ。

森の中へと向かう道中、死んだような顔をしたとしみつの隣で俺も死んだような顔をしている。

俺もとしみつもバスに酔ったわけではなくて、ただただ死んだ顔をしている。

俺は隣のとしみつが死んだ顔をして窓の外を眺めてるだけだからなんとなく死んだ顔をしているだけなんだけど、

としみつは多分、あなたが原因だ。

朝は正面玄関前にクラスごとで集まるんだけど、朝来た段階では朝に弱いはずのとしみつは通常の1.5倍元気なとしみつだった。

ただ、あなたが来ると陸上部の男どもが「お!りょうの彼女じゃーん!」なんて茶化すのを聞いてからずっと死んだ顔だ。

分かりやすいな。これで好きって自覚ないんだからすごいもん。ほんと。

冗談だって分かってるメイはよりによってりょうかよ!みたいに言ってたけどとしみつは冗談でもこの有様だ。

メイが座るはずだったあなたの隣には他のクラスメイトにちゃかされてほぼ強制で席替えさせられかりょうがいるので、りょうがいるはずだったカンタの隣には死んだ顔をしているメイが座っている。

ハッと我に帰ったように後ろを見てあなたを確認しては死んだ顔に戻るメイは正直不憫だ。

もっと不憫なのは何も知らないカンタだ。

オロオロしてるが故に「え?酔った?いつでも手差し出すから!」とか言ってる。かわいそうに。

後ろの方でトミーがしばゆーに「そんなのおかしいじゃん!」と言っているのが聞こえてくる。

正直補助席使えば席移動もできるんだけど、きっととしみつの性格的に1人にしてくれオーラ出しているけどさみしがり屋なので離れるのもかわいそうだ。


てつや「としみつ、なんかあったの?」

としみつ「別にないけど。」

てつや「さっきまで元気だったやん。」

としみつ「だから何でもないって!」

てつや「…別にりょうとあなた付き合ってないよ。」

としみつ「…じゃあ何でりょうの彼女とか言われてんの。」

てつや「陸部のマネージャーの早とちりだよ。」

としみつ「ふーん。」


顔が生き返っているのに気付いているのだろうか。


てつや「メイ!」

メイ「なんだよ。」

てつや「メイもとしみつも待っとけって。」



てつや「あなたー!席変わってー!」

あなた「あ、うん!わかった!」

りょう「なんで?俺の彼女だけど。笑」


りょうの言葉にクラスメイトが盛り上がる。


てつや「やだー!どうしてもりょうの隣に座りたいー!俺もりょうと付き合いたい!」

りょう「嫌だわ普通に。笑」


俺の言葉でクラスメイトがてつやと付き合えー!って言ってきた。


りょう「ねーえー!」

あなた「じゃあ、私そっち行くね!」

てつや「ありがとー!」

りょう「やだ!」

あなた「だって、メイともとしみつもお話したいし…。」

りょう「俺ととしみつどっちが大事なの?」


また、りょうに持ってかれる。そう思って何か言おうとすると、

あなた「りょうくんいじわるするからとしみつの方がいい!」

そういうとクラスメイトが笑って、りょうが大袈裟にフラれたー!って頭を抱えるフリをした。


こうして席を替えることになったので一言、としみつに頑張れよと言って、あなたと席を変わった。


小さい声でりょうが、

りょう「なんで邪魔した?」

と笑って聞いてきた。


てつや「あんま妹と弟に意地悪せんで?」

りょう「としみつ?笑」

てつや「あのあと帰り道であなたがりょうのこといじわる大魔神って言ってたよ。」

りょう「は?バカむかつく!笑」

てつや「りょうが悪いでーす。」

りょう「だからいじめたくなるんだよなぁ。」




としみつとメイの笑い声が聞こえる。

カンタも手を差し出す心配がなくなって楽しそうだ。




ゆめまるは吐きそうになってた。


もうすぐだ、ゆめまる。がんばれ、ゆめまる。