第32話

登校15日目[ゆめまる]
618
2020/02/19 16:52
[ゆめまる視点]

10人くらいの男部屋。

空気をあえて読まない男が口を開く。

しばゆー「としみつとりょうってあなたのこと好きなん?てつやもそうくさいけど。」

一瞬場がかたまる。

トミー「えー…。と、これどういうやつ?」

カンタ「薄々気付いてたけどね、多分ここでいうやつじゃない。はやい。」

てつや「部屋入ってすぐは早かったなぁ。」

ゆめまる「まぁ、俺も聞こうとは思ってたしちょうどいいんじゃない?」

としみつ「…好きだと思う。」

りょう「俺は好きだよ。」

てつや「……俺は妹として好きだよ。」

てつやの嘘はわかりやすい。

しばゆーがてつやは違ったかぁと呑気に笑う。

なんとなくてつやの笑う顔を見ると自分が失恋
したみたいな気持ちになる。

友達がだいすきなてつやのことだ。

友達を取ったんだろう。


りょう「まぁ、でもとしみつとはさっきどっちが付き合うことになってもって話したからさ。」

としみつ「まぁ…。」

しばゆー「なんかドキドキしてきたわ。」

としみつ「でもさ、なんか初恋以来恋してないって言われてさ。」

てつや「初恋?」

としみつ「うん、たいきくんって人を小学生のときに好きだったって話してた。」

トミー「…たいきくん?」

としみつ「うん、たいきくん。」

トミー「金澤?」

としみつ「いや名前までは知らんけど。」

トミー「そっか…。」

りょう「でもまぁ、よかった。としみつといい感じだから内心焦ってたんだよね。それをとしみつに言うってことは俺もまだチャンスある?笑」


りょうにしては少しだけ弱気だ。

いつもの謙遜とは少しだけ違った声のトーン。

多分誰も気付かないんだろうけど。



てつや「よし!明日は長い話聞いて、飯作って帰るだけだし!とことん話そう!」

でかいミルクティー を出したところで扉の開く音がした。


メイ「来ちゃった!あと30分は自由だもんね!」


後ろに隠れたあなたが小さく手を振った。





としみつに。

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