第2話

まんなか
255
2020/05/27 08:44
クラスの女子
ねぇ、移動教室一緒に行ってもいい?
あなた

別にいいけど

クラスの子達は、友達と喧嘩したときとか休みの時とかそんなときにばかり私のところへ来る。
そして友達が来たらまた去っていく。
個人的にはそういうの面倒だと思うからその場しのぎに私を使うのをやめてほしい。

昼休み、私は4階端の階段に座っていた。
誰も来ない、無心になれる場所。
自分が何のためにここにいるのか分からなくて。
友達がいない私にとって学校なんてただの勉強する場でしかない。
クラスの女子
あ、じみんくん!
どうしたの?誰探してる?
じみん
じみん
あなたいる?
クラスの女子
あぁ… どっか行ってていないんだ!
あのさ、今日放課後空いてる?そしたら遊びたいな〜って
少し気になって教室の方を除けばこれ
じみん
じみん
ごめん、無理
クラスの女子
なんでー?またあなた?
1日ぐらいよくない?
するとじみなはクラスの子の肩に手を置いて、耳元で何かを話した。
じみん
じみん
僕ね?あんたみたいな単細胞な子大っ嫌いなんだ!
だからもう話しかけないでくれるかな☺️
クラスの女子
な、なんで…
じみん
じみん
まだ分かんない?
学校来れないようにしてあげよっか?
是非やってあげるけど
クラスの女子
ご、ご、ごめん
じみん
じみん
分ったならいいよ〜〜
足音が、私の方に向かってくるから急いでまた階段の方へ戻る。
じみん
じみん
悪い子ちゃん?
さっきの話聞いてたよね☺️
あなた

まぁ

じみん
じみん
で、ここに居たんだ?
なんで隠れてるの〜
あなた

ここが好きなの

じみん
じみん
ねぇ、何か隠してることあるよね?
こういう時だけ勘が鋭いんだよな、じみなは。
ほら、行って?って言うから気持ちが次々口から溢れる。
じみん
じみん
ほらやっぱり溜め込んでた
あなた

じみなぁぁ〜

放っておいて、
でも気にかけてほしい。
話しかけないで、
聞いてくれたら嬉しいな。
なんで私にだけ優しいの、
私は特別だって勘違いしちゃうし
好きになっちゃったじゃん。
あなた

何のために居るのかな…
もうやだっ…

じみん
じみん
ねぇ、こっち向いて
そうやって頰をその柔らかい両手で挟んでくるから涙が次々と流れてくる。
あなた

なに…

じみん
じみん
この前言ったでしょ?
僕にはあなたが居ないとダメなんだって。あなたは僕のために居るんだよ。そして僕はあなたのために居るの。


あぁ、泣いちゃった。
こうやって溢れてくる綺麗な涙さえも愛おしくて本当に離したくないし他の人に見せたくない。
涙を拭ってあげれば少し無理したように笑うから僕まで苦しくなる。
それでも、本当に全部が可愛い。
じみん
じみん
僕ね、好きな人がいるの
あなた

うん

その少し絶望したような顔も。
じみん
じみん
その人は同い年で、ふわふわの天然パーマの髪の毛がすごく可愛いの
あなた

へぇ

じみん
じみん
でも休みの日会いにいくと、僕と遊ぶだけなのに髪の毛可愛くアレンジしてくれる。
あなた

その泣きそうな顔も。
じみん
じみん
それとね?
泣いた顔も怒った顔も笑った顔もぜーんぶ可愛いの。誰か分かる?
あなた

そんなの知らないよ…
そもそもじみなに好きな人がいるの、知らなかった。
私離れたほうがよくない?見られたらどうするの、

焦って僕から離れようと立ち上がるから、白くて細い手首を優しく掴んで壁の方へ引っ張る。
僕の方が力は強いから勢いであなたが壁と僕の間に座り込む。
あなた

な、なに

じみん
じみん
なんで離れようとするの?
僕の横で笑っててよ。
近くにいてよ、離れないでよ。
僕の好きな人、あなたっていう人なんだけど
あなた

わ、たし、?

その驚いた顔も。
ありえないっていう顔も。
あなた

だ、だって、じみなと少し離れた間に前よりかっこよくなってるし、女の子にもモテてるし、

じみん
じみん
あなただって。
ずっと隣に居たのは僕なのに。昔からずーっと隣に居たのに。
どんどん綺麗になっていくから怖かった。もっとかっこいい人見つけるかなぁって
あなた

隣で守って優しくしてくれる人以上に好きな人なんて居ないよ…?

澄んだ綺麗な瞳。
でも少し残った涙が星屑みたいに輝いていて。
こんなに優しい顔をして僕の目を見るのはあなたしかいないよ。
どんな子よりも、目立たなくてもあなたが1番可愛いのに。


じみん
じみん
好きだよ… 付き合ってください
あなた

私でよければ…!

じみん
じみん
あなたじゃないとダメ
そう言って私の頰にまた触れるじみな。
次の瞬間、唇に唇が触れる。
そっと、お互いを確かめるような優しい感じ。
あなた

ちょっと… ここ学校

じみん
じみん
いいじゃん、誰も見てないよ
ふと匂った甘い香りが私の身体を包み込んだ。

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