あたしは、葬儀場でのことを思い出していた。
何故こんなにも思い出せないことが多いのだろうか?
そんな自分に怒りさえ覚えてきた
しればしるほど、頭の心も追いつかない。
一生掴めることの無い真実
闇雲にされた真実に、光は指すのか?
信じたものに救いがあるのか。
仏教のような言葉を並べても不安が募るばかり
あたしは、父のことをそんなに知らない。
兄がいて両親も元気にいきている
名前と、歳、職業
在り来りなものしか知らない。
父は、人の事はよく話すのに自分のことは話したがなかったから聞いても答えてくれないことが多かった。
あたしは、何も知らない……。
あたしの知りたい答えは、どこへ?
探っても探っても見えないものを探り続けるあたしはブラックホール
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!