第3話

別れの為の出会い
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2018/02/19 15:42
ジリジリジリジリ。ジリジリジリジリ。

太陽の日が、まだどこか眠たげな柔い光が、部屋に射し込む。
そんな朝。

部屋中に鳴り響く聞きなれたアラーム音を、止める。

実は、今起きた訳では無い。
本当はアラームの鳴る30分程前に、既に起きていた。
別に特に理由はない。
今日が入学式だから、新しい始まりだから、
とか、そんな特別な期待を抱いて早く起きた訳でもない。


___そう、今日は入学式。


制服を買ったあと、1回も洗わずに箪笥にしまい込んでいたため、
箪笥の中の木の匂いと、
どこか不思議で、不慣れな雰囲気を漂わす、
新品の匂い
が混ざった匂いがした。

朝食を終え、身支度が遅い母を置いて先に家を出た。
まあ、身支度が終わっていたとしても、母と並んで歩いて学校まで行く気には到底なれない。
別に、母が嫌い、とかではない。
ただ、高校生にもなって並んで歩くのが…。
これが、思春期…
と言うのだろうか。

まあどちらにせよ、これから1人で学校に行かなきゃ行けないわけだし、丁度いい。


学校には既に、人だかりが出来ていた。
写真を撮り、親同士で話し、同じ中学だった者同士ではしゃぎあい。

僕には到底、無関係な光景だ。
邪魔な人混みを払い除け、体育館の壁に貼られたクラス表の自分のクラスを確認し、
体育館に用意された、空いてる席へと座る。

開始まであと20分程ある。
やはり、早く来すぎた。
母と一緒にのんびりこれば良かった。

そう後悔しながら、じっと、
ゆっくり時間が経つ時計を眺めて、ぼーっとする。

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