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2021/10/20

第7話

7:くすぐったい仲直り
病院に着く。

受付を早歩きで通り過ぎて、陽葵の病室を目指す。
榛名 蓮《ハルナ レン》
……陽葵。
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
あ、蓮くん…

陽葵は1人で窓の外を見ていた。

俺が声をかけると、陽葵は申し訳無さげな表情で振り向く。
榛名 蓮《ハルナ レン》
陽葵、昨日はごめん。
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
…ううん、大丈夫。
私もごめんね。

久し振りにした友達との仲直りというものはなかなかくすぐったくて、それは陽葵も同じだったのか2人してどちらからともなく笑い出す。
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
あはは、蓮くんどうしたの?
急に黙っちゃって。
榛名 蓮《ハルナ レン》
陽葵もだろ。

仲直りの空模様は、澄み渡った秋空で、俺はなんだか無性に陽葵を抱き締めたくなった。


そんなことは出来ないけれど。
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
さあて、今日は何する?
後でちょっと検査があるんだけど、それまでなんかしよ!
榛名 蓮《ハルナ レン》
陽葵のしたいことに俺は付き合うよ。
だって…

だって、付き合ってるじゃないか。

言う勇気の無かった俺の言葉を陽葵が引き継ぐ。
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
だって?
……ふふ、私たち、付き合ってるもんね。
榛名 蓮《ハルナ レン》
…まあ。 
彼女のしたいことは叶えてあげたいし。
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
きゃー、嬉しいっ!
流石彼氏さーん。

楽しかった。

嘘じゃない。

霖が死んでから、楽しいことは遠ざけてきた。

それが俺に出来る罪滅ぼしだと思っていた。


けど違ったんだな。
俺が霖に出来る1番の罪滅ぼしは"幸せになること"なんだ。

陽葵と、一緒に。
榛名 蓮《ハルナ レン》
陽葵…
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
ん?
なあに?

「好きになってもいいかな。」

そう言ってしまおうかと思った。

けれど、やっぱり俺は言えなかった。

陽葵はどう足掻いたって後数ヶ月、下手をすれば数日の命だ。

俺が告白めいた事をして、その事実が、彼女を悲しませるだけならやめてしまおうと思ったのだ。
榛名 蓮《ハルナ レン》
…なんでもない。
ほら、何がしたい?
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
えっとね、___。


思えば俺はこの時油断していた。

陽葵と過ごす時間が永遠であり、決して失うことの無いものだと信じて疑わなかったのだ。

……人生には絶対なんてないのに。