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2021/08/30

第4話

4:蓮の秘密
陽葵の告白から数日後。

なんかよく分からん展開に俺は未だについていけなかったが、あれから毎日病院へ祖母と陽葵の見舞いに来ている。
榛名 蓮《ハルナ レン》
陽葵、来たよ。
最初に赴くのは祖母の病室だが、暫く祖母と談笑した後は陽葵の病室へ向かう。

陽葵は祖母の病室に居たり居なかったりするのだが、今日は居ない日だった。

星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
あ、こんにちは蓮くん!
榛名 蓮《ハルナ レン》
それで?
今日は何の話すんの?
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
んー、じゃあ、蓮くんのこと教えて。
毎日こんな時間に来れるってことは、部活に入ってないんでしょ?
榛名 蓮《ハルナ レン》
まあね。
部活には入ってない。

陽葵の言う通り、俺は部活に所属していない。

先輩に媚びへつらったり、後輩に先輩面したり。

そんな面倒事には巻き込まれたくなかった。

星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
なんで?
入ればいいのに。
榛名 蓮《ハルナ レン》
ん、まぁ、入りたいとも思わないし。
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
もー、友達出来ないよ?
榛名 蓮《ハルナ レン》
友達なんか要らないよ。
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
ははっ、なんか蓮くんっぽいね。

彼女は、笑った。

蓮くんらしいと言って。

言葉の真意は俺には理解できなかった。

星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
それはそうと、蓮くんってさ、兄弟とかいるの?
榛名 蓮《ハルナ レン》
何でそんなこと聞きたいんだ?
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
私、一人っ子だからねー、なんか気になっちゃって。
その言葉で、苦い記憶が呼び覚まされる。

あれはいつの事だったか。

もう、忘れてしまうくらい前の話だ。
榛名 蓮《ハルナ レン》
いるよ……じゃちょっと違うか。
いたよ。
双子の、兄が。

ひゅっと、陽葵が息を飲み込むのがわかった。

俺は微かに自嘲的な笑みを浮かべていることを自覚しながら続きを口にする。
榛名 蓮《ハルナ レン》
いたんだ。
……3年前まで。

そう、あれは、中学3年生、14歳の時のことだった。
兄の名は、りんと言った。

霖はスポーツ万能、頭脳明晰。
更には人懐っこい元気な性格で、いつもみんなの中心。

完璧を絵に書いたような人物だった。

俺は逆で、スポーツも勉強も平均。
優秀な兄がいることからの劣等感で、家でも学校でも全く話さないような、暗い性格だった。

霖はそんな俺をいつでも気にかけてくれていたが、俺は受験を盾にして、そんな霖を避けてしまっていた。

霖はその時、推薦で、進学校への入学が決まっていた。

俺は、そんな霖に嫉妬をしていたんだ。

榛名 蓮《ハルナ レン》
でも、本当に大切にしたいものほど、手からすり抜けていってしまうんだ。
星奈 陽葵《ホシナ ヒマリ》
霖さんは、もしかして…

1回。
深く深呼吸をした。

吐いた息が震えていた。

俺は、覚悟を決め、続きを口にした。