私のお兄ちゃんは
すぐ側にいた
すぐ手が届くところに
私の頭を大きな手で包まれた
ユンギさんの手はこんなに大きかったんだな…
凄く懐かしい感じがする
ユンギさんの手はとても温かくて
太陽のような温かさだった
何故か緊張してしまう
こんなにも早く私の家族が見つかるなんて思ってもいなかった
いつか、私の反韓癖も直るだろうか
そうお墓に話しかけていると
頬が冷たくなった
目がぼんやりとしてきて
目からは涙が溢れていた
ここ何年間、涙なんて流したことなかった
きっと、お母さんとお父さんが
私にプレゼントをしてくれたんだ
感情を失った私に
"感情"というプレゼント
呆れるほど涙が出てきて
拭いても拭いても涙は止まることを知らない
どうして涙は止まることを知らないのか
私にはさっぱり分からない
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!