第52話

Ep52
769
2020/09/16 20:09


あの日から私は自分が自分じゃなくなっていた



きっと振られたからじゃない



告白したことによって
今まで積み上げてきたものが
一気に崩れ落ちてしまったから



それはきっと私にも
彼らにも分からない



そんな私を気遣っているのか
ナムジュンさんやホソクさん
ジンさんが私を励ましてくれている



気遣わなくていい



ただ今はほっといてほしい



だけど、本当はこんな私を助けてほしい



なのに私はそれが言えない



目の前に置いてあるメイク用に使う鏡を見た



そこに映っている私がとても
醜かった



助けてすら言えない自分が
鏡の奥で小さく見えてしまった

TH
ヌナ〜
あなた

………

TH
ヌナ?
あなた

え?

TH
大丈夫?
あなた

あ、はい

あなた

どうされたんですか?

TH
ちょっと来て〜
あなた



テヒョンさんに連れて行かれたのは



ダンス部屋



そこにはジョングクさんもいた



そして、ジミンさんも



気まずさからお互い目を合わせない

TH
今日、4人でご飯行かない?
JM
テヒョナ、話が違うよ
JM
テヒョナが連れて来た理由は
〇〇さんにダンスを見てもらうためでしょ?


"〇〇さん"



それを言われた途端私の心には



取り除けない黒いシミができてしまった

あなた

いいですよ

あなた

ご飯行きましょ

JM
3人で行ってきなよ
JM
僕は家にいるから
あなた

せっかくテヒョンさんが
誘ってくれているのに
断るんですか?

あなた

私とジミンさんのこの雰囲気を
和らげようとしてくれているのに

JM
………
JK
ヌナ…?
あなた

せっかくのお誘いを断るのは
悪いと思わないんですか

JM
それは〇〇さんに関係ないですよね?
TH
2人ともやめなよ…
あなた

そうですね

あなた

関係はないですが
ご飯くらい一緒にどうかと

あなた

最近、まともにご飯を食べていないらしいので

あなた

私なりの気遣いだったのですが
迷惑なら大丈夫ですよ
無理して来なくても

JM
………
あなた

それじゃ私は

JK
あ、ヌナ…


ジョングクさんの声も
聞こえないふりをして部屋を出た



どうしたんだろう



ジミンさんにあんな言い方をしたのは
初めてだ



色んな意味で変わってしまった



あの頃の自分を



取り戻せる日が来るのだろうか



そして、あの頃の楽しい日々を


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