第9話

住人達2
1,152
2018/03/07 10:52
案内されたのは3階の隅っこの部屋。
隅っこと言っても1人で使うにしては広すぎる部屋だし、ダブルベッドなんて…大きなタンスや鏡、バルコニーまでついている。

本当にすごい……すごいけど……
住むだなんて、無理だよ!!!
ソンウ
どう?気に入った?
○○
すごい部屋ですけど…こんな所で住めないです!
ソンウ
どうして?
○○
どうしてって…家に帰らないといけないんです…
ソンウ
だから連絡してあるから大丈夫だって!
宿舎だって説明したらすんなりOKって言ってくれたよ?
○○
そんな!おばあちゃんたちだけじゃ心配…
ソンウ
大丈夫だよ。それに、もし君が勝手に1人で帰るにもこの森から出れなくなるから
○○
道なりに進めば帰れます!
ソンウ
その道がもうないんだよ。
君たちを導くために一時的に作った道だから
○○
そんな……
一時的に作った道とか、おばあちゃんたちを化かしたとか。この人達はなんなのだろう。
普通じゃない。絶対におかしい。
○○
ソンウさん。あなたたちは何者なんですか…?
ソンウ
……あなたちゃんの保護者
○○
……はい?
ソンウ
あなたちゃんを守るための親代わりだよ。
○○
なんですかそれ?
ソンウ
……敬語じゃなくていいよ
○○
ソンウ
名前も呼び捨てでいいし、敬語もなくていい。
俺たち同い年だと思うから。
○○
え、同い年?!
ソンウ
なに?そんなに俺老けて見える?
ソンウさんは酷いなーなんて言いながら、私の前に手を出してきた。
ソンウ
じゃー、これからよろしくね。あなた!
○○
……よろしく…ソンウ…
私も手を出し、手を握って握手をした。
するとソンウは嬉しそうに握り返した。
ソンウ
俺はそこら辺ウロウロしてるから何かあったら呼んでね。ごゆっくり!
そう言ってソンウは部屋を出ていった。
…不思議な人だ。

ってあれ、結局何者なのか誤魔化された!!
○○
どうしようかな…
とりあえず部屋の中を探索してみよう。

タンスを開けると、中にはいろんな洋服が入っていた。全部私の好みだ…。
でも全部高そう。下の棚には靴も入っている。

どうしてこんな……。
鏡の前には化粧品や髪飾りなど…

ダブルベッドには天蓋まで着いていてどこのお嬢様なの…。
ダニエル
…気に入った?
○○
わっ!!
突然後ろから声が聞こえてまたびっくりする。

振り向くと窓際に男の人が座っていた。
なんでこの部屋に…入ってきたのに気づかなかったの?
ダニエル
あ、そんなにびっくりした?
○○
い、いつの間に入ってきたんですか
ダニエル
こっそりね
そう言って彼は笑った。
その笑顔は子供のように無邪気で自然と心が和む。
ダニエル
さっき挨拶しそびれたから
○○
あ、それはどうも
ダニエル
ダニエルだよ。楽に話そ。
○○
私はあなた…よろしくね
ダニエル
あなたか、こちらこそ
すると、コンコンっと扉をたたく音が聞こえて、扉が開いた。
ジフン
あ、ニエリヒョンも来てたんだ
スタスタと部屋に入ってきて、その子はダニエルのよこにならぶ。
あ、たしかこの子…さっきいた子だよね。
ダニエル
お前も挨拶しに来たの?
ジフン
そうですよ。
ジフン
…あなただよね?
○○
あ、そうです!
ジフン
俺はジフンだよ!あなたより年下!
○○
え!そうなの?!
ジフン
見えない?
○○
てっきり年上かと思ってた…
ジニョン
俺はジニョンだよ。俺も年下
○○
?!
気づくとまた人が増えていた。
また…いつ入ってきたの?
ダニエル
ジニョン。いつの間に来たの
○○
えっと、ダニエルとジフンくんとジニョンくん…で大丈夫?
ジフン
なんで俺たちだけくん付けなの?
○○
年下だから…?
ジフン
ふーん?
なにか気に食わない顔で私を見つめるジフンくん。
そういえば、この家には何人いるんだろう…さっき見ただけでも10人以上いたよね。
このよくわからない状態でよくわからない人達に囲まれて…私はどうしたらいいのか分からない。ただ、とりあえず彼らの言うことを聞いてここにいた方がいいのかな…。

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