第3話

飛び出した
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2018/03/06 09:37
階段を降りてリビングに行くと、おじいちゃんとおばあちゃんは2人で夕ご飯の支度をしていた。

○○
おじいちゃんおばあちゃん。準備終わったからなにか手伝う?
祖母
あら、早いのねぇ。じゃあ食器の用意をしてくれる?料理は私たちでやるわ。
○○
わかったー
私はおばあちゃんの隣の大きな食器棚を開けようと近づいた。

ガタガタ…

するとなにか物音がし、その方へ目を向けると食器棚からだった。なんの音だろう。
しばらく見ていると、またガタガタと音がした。なに?なにかいるの?

…私は恐る恐る棚の取っ手へと手を伸ばす。
妙に動悸がして、じわじわと汗が出てくる。

開けよう。そう思った途端



バッッッ!!!



○○
うわ!?!
祖父
どうした!
ニャー…


なんと中から飛び出してきたのは小さな黒猫だった。
燃えるように赤い目をした、真っ黒な……
でも、どうして棚から?
○○
え、ね、猫…
祖母
猫?何を言ってるの?
○○
今食器棚から物音がして、それで猫が飛び出してきて…
祖父
……何もないじゃないか。あなたが開けたんだろ?
○○
え、でもそこに!
さっきまで猫がいたところを指差したら、もうそこには何もいなかった。
○○
あれ……いなくなってる…
祖母
…あなた、大丈夫?疲れてるんじゃないの?
疲れてなんかいない。むしろ元気だ。
おかしいな…はっきり聞こえてはっきり見えたのに。猫が横を通り過ぎる時、風だって感じた。

でも…おじいちゃんとおばあちゃんには何も見えてなかったみたいだし。気のせいなのかな。
祖母
そうよ。自分で開けてびっくりしてたわよ?
○○
大丈夫、気のせいだったみたい…あはは…
そう誤魔化して笑うと、おばあちゃんは心配そうに私の手を握った。
祖母
…なにか心配事? 学校が不安なのね?
○○
大丈夫だって!ちょっと寝不足だっただけだよ
祖母
そう…?それならいいんだけど…
おばあちゃんは心配性だから、下手に変なこと言っちゃダメなんだけど。心配させたくないし負担もかけたくない。
そう、寝不足だから。そうそう。そういうことにしておこう。
○○
ごめんね!早く準備しないと!
私は食器棚から食器を出して机に並べた。出来上がった料理も机に並べられ鮮やかな色と香ばしい匂いが私の食欲をそそった。

○○
わぁ…美味しそう!
祖母
うふふ、しっかり食べなさいね
○○
うん!
箸を持ち、自分のサラダを取ろうと取り皿に目をやると黒い髪の毛のようなものが入っていた。

うわあ、私のかな?落ちちゃったのかな…
…でも妙に短いな。
私は割と長めだし、おばあちゃんとおじいちゃんは白髪だし。

…切れて落ちたのかな。
まぁ、いいか。お皿の毛を振り払って、お皿にサラダを盛った。おばあちゃんたちのも取ってあげてようやく食べ始める。
○○
いただきます!

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