第40話

想えば想うほど苦しい
1,008
2018/05/02 13:00
>>>クァンリンside



ヌナ……そう呼ぼうとした時、目に入ったのはジフニヒョンだった。
2人が何をしているかなんて大体予想がついた。ジフニヒョンが噛んだその首から出ている血が、僕がいる扉の外にまで匂ってくる。それだけで理性を失いそうになるのに、それ以上に湧き出てくる感情が僕を苦しめた。
それが何かなんて僕には分かっていた。分からないふりをしていたけどそんなのもう無理だったんだ。
血を飲んでいるから羨ましい?

違う。

ヌナが、ジフニヒョンが…楽しそうにしてるから。ヌナはジフニヒョンが触ってもびっくりした顔をしたり笑ったりしてるだけで何も抵抗しない。ジフニヒョンもそれは分かってるから、どんどん近づいていくんだ。
それだけで苦しくなるんだ。それだけでジフニヒョンを離したくなるんだ。
クァンリン
ヌナ……
届かない声で呟いて、僕は拳を握りしめる。


分かってるんだ。
分かってるよ、ヌナ。
ジフニヒョンの言ったことを僕がまたヌナに言ったとして、ヌナを困らせてしまうだけなのは分かってる。今ここでジフニヒョンを怒っても、どうにもならないことは分かってる。
愛おしくヌナに触れても、ヌナには伝わらない。
それも分かってる






一目惚れなんだ。
あの日ここに来た時から、僕はヌナを見る度どうしていいか分からなくなる。
ただ、ただヌナが好きで…ヒョン達よりヌナのことを知らない。ヌナも僕のことを知らない。
それでも、好きなんです。



どうか、誰のものにもならないで。僕のそばにいてください。






…そんなこと言えないんだ。

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