第10話

お昼ご飯
1,160
2018/03/09 19:43
いつまでこの部屋にいるんだろう。
3人は自己紹介が終わっても私の部屋でくつろいだり雑談したりしている。私に話を振ってくるけど、そんな冷静に話していられる余裕もない。
第1謎が多すぎるんだ。
ジフン
ねぇ、あなた聞いてる??
○○
あ、え?
ジフン
さっきからなんかぼーっとしてるよね。
ダニエル
悩み事?
○○
ううん、大丈夫…
ここに来てから悩むことしかない。
ここがなんなのか何者なのか。正直何がなんなのかわからなくて怖い。
デフィ
あれ!もうたくさんきてる!
○○
あ、君は…
さっきの子だ。また一人部屋に入ってきた。

確か…
○○
デフィ…くん?
デフィ
わ!覚えててくれたんだ!嬉しいなぁ〜
ジニョン
デフィ。何しに来たの?
デフィ
あ、そうだった。もうすぐでお昼ご飯できるから伝えに来たんだよ。
○○
お昼ご飯?
デフィ
そう!みんなで食べるんだよ!
○○
そうなんだ
デフィ
もう行こう?みんなももう集まる頃だから!
そうデフィくんに手を引かれ、お昼ご飯を食べる場所へと連れていかれる。
小柄なのに意外と力が強くてびっくりする。
ジフン
あ!ちょっとまってよ
ダニエル
置いていくなよー!
3人もあとを着いてきて、5人で向かうことになった。にしても広い…。
食堂に向かうらしいのだが一向につく気配がない。よく迷わないで生活出来るなぁ
ようやく食堂につき、中に入る。
そこも映画に出てくるようなところで細長いテーブルと白いテーブルクロス。
テーブルの上には豪華な食事が並んでいた。

こんなの初めてだから声も出ないほど感動した。
ジェファン
あ、来たね
○○
あ、ジェファンさん
ジェファン
ジェファンでいいよ。好きなところに座ってね
○○
あ、ありがとう。
ジェファンの言うとおり好きな席に座った。

目の前には綺麗に盛り付けられた食事が…そういえばお腹空いた。この数時間でいろいろ理解不能な出来事が多すぎて忘れてた。

そんな料理に見とれていると、右隣に誰かが座った。
ソンウン
隣いい?
○○
あ!はい!
この人…初めて会う人だ。
ソンウン
ありがとうね。
君があなたちゃんだよね?
○○
あ、はい、そうです。
ソンウン
俺はソンウン。よろしくね
○○
よろしくお願いします。ソンウンさん
優しそうな人だ。
見た感じだと年上…なのかな? 大人の余裕があるような気がする。
ジソン
あなたちゃん、こっち座っていい?
○○
あ、ジソンさん…どうぞ!
ジソン
ふふ、ありがとう
ジソンさんはニコッと笑って私の左側に座った。
ジソン
美味しそうだねぇ、嫌いなものとか大丈夫?
○○
大丈夫です、!
ジソン
そんなに緊張しなくてもいいのに
いやいや、緊張せざるを得ないですから!!
ジソン
俺、あなたちゃんの2つ上だけど…そんな堅苦しく敬語使わなくていいよ?
○○
ふ、2つ上なんですか!
ジソン
そうなんだよ〜、でも仲良くなろうね!
○○
は、はい、よろしくお願いします、
だめだ、ここの人達はすごく人見知りしてしまうし話しにくい…何より全くの初対面なのに急接近してくるから怖い…

どこかのマンガの世界に巻き込まれたみたい。
こんなの慣れるわけないよ。
クァンリン
ジソンイヒョン…
後ろからジソンさんに声をかけてきたのは大人しそうな男の子だった。
すごく綺麗な顔立ち…。
ジソン
お、クァンリンナ。どうしたの?
クァンリン
隣座っていいですか?
ジソン
全然いいよ、聞かなくてもいいのに
ジソンさんは笑いながらクァンリンという子を隣に座らせた。
あの子も年下なのかな、なんてその子を見つめているとパチっと目が合った。その子は私のほうをじーーっと見つめたあとすぐに目を逸らしてジソンさんに隠れた。
クァンリン
ヒョン……隣の子って…
ジソン
あー、前話してた子だよ。あなたちゃん
クァンリン
あなた………
ボソッと私の名前を呟き、ジソンさんに隠れまままたじーっと私を見つめる。

なんか不思議な子なのかな…?
ジソン
そんな緊張しないでよクァンリンナ
○○
あの…よろしくお願いします、クァンリンくん
となんとなく挨拶をしてみたら、ぱっと視線をそらされてガン無視されてしまった。
あ、完全に警戒されてるんだ私。
なんかショック…。
ジソン
ごめんねあなたちゃん。あんまり慣れてなくて
○○
いえ、しょうがないですよ
ミニョン
みんな集まった?
ダニエル
ジソンイヒョン!挨拶して!
ジソン
じゃあーみんな!いただきます!
ジソンさんの掛け声とともにみんなもいただきますと唱和した。
喋ったり笑ったりしながら賑やかに食事をする彼ら。こうやってみると普通に仲のいい家族のよう、だけど…みんな顔は似てないし、きっと年齢もバラバラだよね。

どんな関係なんだろう。

どんな人達なんだろう。

これからここに本当に暮らすなんて、できるのかな。
ソンウン
…あなたちゃん?大丈夫?
心配そうに声をかけてきた。
○○
あ、大丈夫です!私もいただきます。
今考えても仕方ない。後で考えよう。

私も彼らと同じように料理に手をつけた。

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