第29話

ちょっとした意地悪
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2018/04/14 13:02
それからは祖父母の話やこの家の事やそれぞれの種の話、いろんなことを話したり聞いたりした。一晩でいろんなことを知れたし話せたし、より仲良くなれたかな…なんてひとりで思う。
すっかり夜も老け、寝る時間が近づいてきた。
ジソン
よし、そろそろ寝ようか。あなたちゃんも眠いよね?
○○
あ、そうですね
ソンウ
じゃあもうお開きだー!あなた、俺と一緒に寝る?
○○
え?!
ミニョン
ソンウそれはセクハラ
ソンウ
え?!一緒に寝るだけじゃん?!
ジェファン
ヒョンが言ったらもうだめです。セクハラです
ソンウ
なんで!!
ソンウン
あなたは今日俺と寝るから
ソンウ
え?!ヒョンが?!
ソンウン
ね、あなた
○○
え、え?!
ソンウン
だからソンウは大人しく部屋に戻れー
ソンウ
うー……ずるい…
ソンウンさんは手でソンウを追い払うようにして、私を後ろに隠した。
ソンウが諦めて部屋に戻っていくと、ソンウンさんは私の方を振り向いて笑った。
ソンウン
びっくりした?
○○
いや、びっくりしますよ…一緒に寝るだなんて。
ソンウン
ソンウを追い払うにはこうするしかないかなって思って。急にごめんね。
あ、ソンウが私に無理やりついてこないようにしてくれたんだ。
○○
いえいえありがとうございます…
ソンウン
うん。どういたしまして
ミニョン
ヒョンもなかなかやりますね。ソンウを追い払うなんて
ソンウン
だってあなたに迷惑かかるだろ?
それにあなたとソンウが一緒に寝るなんて嫌だし
ミニョン
え、嫌って?
ソンウン
絶対変なことするじゃん。ソンウ
ミニョン
…たしかに
ソンウン
なんかあった後じゃ遅いから。最初から近づかせないの
ソンウってそんなに信用ないのかな。すごい警戒されてるし。変なことするって以前に、むしろ私に気をつけなって言ってくれたのにな。

まぁ……一緒に寝るとかはちょっと変だけど。
ソンウン
じゃ、あなたもそろそろ部屋に戻りな?
ミニョン
俺が送ってくよ
○○
あ、ありがとう
ソンウン
おやすみ。
○○
おやすみなさい〜
デフィ
あ、ヌナおやすみなさい!
ダニエル
おやすみ〜
ジニョン
おやすみなさい
○○
みんなおやすみ!
みんなに挨拶をしてミニョンと一緒に広間を出た。何気、ミニョンと2人だけでこうやって話すのって初めてかな?
食堂の時はジソンさんがいたし。
ミニョン
…何考えてるの?
○○
へ?
ミニョン
俺の方じーっと見てたし。なんかついてる?
○○
いや、なにもないよ
ミニョン
そ?…あ、…あなたちゃんってさ、
○○
ん?
ミニョン
今まで恋人とかいるの?
○○
え、なんで急に!
ミニョン
なんとなく?
恋人なんて、そんなの…いたことないし。まず恋愛もしたことがないのに。
そんな質問急にされても困るし、なんでするのかな。
○○
いないよ、いたことないし。
ミニョン
え、嘘だ
○○
ほんとだよ!恋愛だってしたことなくて…よくわかんないし…本当にいたことないし…ってか、自分で言ってて悲しくなるからやめてよ、
急に虚しくなって、ミニョンの腕をパシッと1発叩いた。
ミニョン
え?!暴力!
○○
うるさい
ミニョン
俺何もしてないのに
○○
変なこと聞くから!
ミニョン
ほんとにいないんだ?
○○
言ってるじゃん…
もう、ほんといじわる良くないよ。
そういえばって感じていないし。はぁ、私の青春はなかったのか。やっぱり悲しくなるし
ミニョン
なんだ、あなたちゃん可愛くてモテそうだからてっきりいるのかなーって思ってた
○○
え。…そんなお世辞いらない
ミニョン
お世辞じゃないよ。本当に思ってる。
○○
……
ミニョン
…それに、恋人いなくて良かった。
○○
、なんでよ
ミニョン
なんでも?
こっち見ながらニヤニヤして言うから、また叩きたくなる。
○○
なにそれ、わかんない
ミニョン
他のみんなには言わないでね。恋人いないって
○○
え、なんで??
ミニョン
だってそれ言ったらみんなあなたちゃんのこと更に狙っちゃうから
○○
……狙うってなに…?
ミニョン
それも言わないー
○○
あ、ミニョア!ずるい!
ミニョンは呑気に笑いながら言って聞こうとしない。
そこまで言っておいて、詳しく教えてくれないのって酷い。話したら困るでしょ、なんて言って全然話してくれないし。
ミニョン
ほらもう着いた。
○○
あ、でもまだ聞いてない
ミニョン
だーめ。早く寝ないとね?女の子なんだから。お肌荒れちゃうよ。
○○
でも…
ミニョン
ほら早く入って。
また続きは今度ね。おやすみ
ミニョンは私の背中を押して部屋に入れると、そっと頭を撫でて部屋を出ていった。

…もう。
諦めて寝るしかないか。私は着替えてベッドに入った。

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