ジソンさんに部屋まで送ってもらい、私は部屋に戻ってきた。ジソンさんはゆっくり休んでね。と微笑んで私の部屋の扉を閉めた。
なんか、部屋に戻ってくると一気に体の力が抜ける。たくさん泣いたし、なんか色々疲れた。
もうこのまま寝ようかな。
まだ夕方だけど、お昼寝として…ね。
あ、でもその前に着替えなきゃ。
私はベッドの隣においてある棚の上から寝間着を取って着替えた。ワンピースはちゃんと掛けとかないと。
ソンウはノックもせずに普通に部屋に入ってくる。特に何も無いけどびっくりする。
危ない…あとすこし着替えるのが遅かったらソンウに見られてたかもしれない。
何故かドヤ顔しながら言うし、笑っちゃう。
だめだ、このままじゃソンウの調子に飲まれるだけだ。
ソンウを無視して布団に入ると、ソンウは私が寝ている横に座って私を上から眺める。
ソンウの言葉に私は急いで起き上がった。そうだ、ジソンさんに言われたばっかだった。
インキュバスじゃなくても気をつけなきゃ。
ソンウは私を見て吹き出しながらいった。
ソンウはベッドに座ってる私の腰の横に手を置いて、近づいてくる。
私はただ、じみに避けるしかできなかった。
でも、ソンウにすぐに壁に追いやられて行く宛をなくす。
ソンウは私の頬に手を添えた。それだけで、ソンウの手に私の熱が伝わって言ってしまいそうで、緊張する。こんなの絶対おかしい、変だよ。
それだけで顔が熱くなる。もうやだ、遊ばれてるよこれ。完全に遊ばれてる。
ソンウは少し心配そうに眉を下げて笑いながら言った。
ジソンさんにも言われたし。気をつけることって…そこまでなのかな。彼らの前で油断しなければいいってことだよね?
それくらいなら私にもできる。
私の頬に触れていた手は私の髪をゆっくりと撫で始める。
あ……。この状況でも普通に話し始めるソンウもおかしいけど…それに流される私も馬鹿だ。
ソンウは私から離れ、ベッドから立ち上がった。
聞こえるか聞こえないかくらいの声でソンウは何か言った。けど、聞こえなくて。
そう言ってソンウは部屋を出てった。
気をつける…か。全く持てたことも身内以外の人とほとんど関わったこともないのに、どう気をつけるって言うんだろう。ましてや男の人。
そりゃ、男だらけのところに女って1人いうのはそれはまずいことだって言うのはわかるけど…。
ダニエルだって、飢えだからしょうがないことだし。私じゃなくてもああなってるはずだし。そんな人達ではないと思うな…
…ちょっと遊ばれることは多いけど。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!