第25話

気をつけることは
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2018/04/11 05:46
ジソンさんに部屋まで送ってもらい、私は部屋に戻ってきた。ジソンさんはゆっくり休んでね。と微笑んで私の部屋の扉を閉めた。
なんか、部屋に戻ってくると一気に体の力が抜ける。たくさん泣いたし、なんか色々疲れた。
もうこのまま寝ようかな。

まだ夕方だけど、お昼寝として…ね。
あ、でもその前に着替えなきゃ。
私はベッドの隣においてある棚の上から寝間着を取って着替えた。ワンピースはちゃんと掛けとかないと。
ソンウ
あなた〜?
ソンウはノックもせずに普通に部屋に入ってくる。特に何も無いけどびっくりする。
危ない…あとすこし着替えるのが遅かったらソンウに見られてたかもしれない。
○○
ソンウ、急に入ってこないでよ…
ソンウ
ごめんごめん、あれ着替えたんだ?
○○
うん。ちょっとお昼寝しようかなって
ソンウ
ふーん?あのワンピース可愛かったのに…残念
○○
あれね、可愛いよね。デフィくんが選んでくれたんだよ
ソンウ
……デフィが?
○○
そう、悩んでたら選んであげるよーって。優しいよね
ソンウ
んー、じゃあ明日は俺が選んであげる。
○○
ええ?ソンウ選べるの?
ソンウ
失礼な!俺はセンスありありだよ?
何故かドヤ顔しながら言うし、笑っちゃう。
○○
じゃー、お願いしようかな
ソンウ
よし、任せろ!
…あ、あと
○○
ん?
ソンウ
可愛いって言ったのはワンピースじゃなくて、そのワンピース着てるあなたが可愛いってことだから。
○○
…えっ
ソンウ
ひょっとして鈍感?
○○
鈍感じゃない…それに可愛いなんてお世辞いらない
ソンウ
お世辞じゃないのにー。
だめだ、このままじゃソンウの調子に飲まれるだけだ。
○○
…もう寝るから…
ソンウを無視して布団に入ると、ソンウは私が寝ている横に座って私を上から眺める。
○○
な、何見てるの…
ソンウ
よく男の前でそーやって寝れるなぁって思って。
○○
っ!
ソンウの言葉に私は急いで起き上がった。そうだ、ジソンさんに言われたばっかだった。
インキュバスじゃなくても気をつけなきゃ。
ソンウ
ぶっ…そんな慌てなくてもいいのに
ソンウは私を見て吹き出しながらいった。
○○
そ、そんな笑わないでよ!
ソンウ
だって、すごい勢いで起きたし強ばってるし!俺のことそんなに嫌だ?
○○
嫌ってわけじゃないよ…
ソンウ
じゃあいいの?
ソンウはベッドに座ってる私の腰の横に手を置いて、近づいてくる。
私はただ、じみに避けるしかできなかった。
でも、ソンウにすぐに壁に追いやられて行く宛をなくす。
○○
そ、ソンウ…
ソンウ
顔真っ赤だよ?
○○
っ…
ソンウは私の頬に手を添えた。それだけで、ソンウの手に私の熱が伝わって言ってしまいそうで、緊張する。こんなの絶対おかしい、変だよ。
ソンウ
……可愛い
それだけで顔が熱くなる。もうやだ、遊ばれてるよこれ。完全に遊ばれてる。

ソンウ
ねぇ、あなた
○○
な、なに
ソンウ
この家には女の子、あなただけなんだよ
○○
…知ってるよ?
ソンウ
ううん、あなたは分かってない。あなた以外はみんな男なんだから。もう少し気をつけないと
ソンウは少し心配そうに眉を下げて笑いながら言った。
ジソンさんにも言われたし。気をつけることって…そこまでなのかな。彼らの前で油断しなければいいってことだよね?
それくらいなら私にもできる。
○○
大丈夫だよ。私だって馬鹿じゃないよ
ソンウ
…そう?
私の頬に触れていた手は私の髪をゆっくりと撫で始める。
ソンウ
もうこんな簡単に触れられてるのに?
○○
あ、
ソンウ
……馬鹿だね、ほんと
あ……。この状況でも普通に話し始めるソンウもおかしいけど…それに流される私も馬鹿だ。

ソンウは私から離れ、ベッドから立ち上がった。
ソンウ
とりあえず、気をつけてね。俺らは男ってこと忘れないで
○○
うん……
ソンウ
……他のやつに取られたくないし
聞こえるか聞こえないかくらいの声でソンウは何か言った。けど、聞こえなくて。
○○
…何か言った?
ソンウ
ううん。なんでもない
もう昼寝するんでしょ?ゆっくり休んで
○○
あ、うん。ありがとう
そう言ってソンウは部屋を出てった。
気をつける…か。全く持てたことも身内以外の人とほとんど関わったこともないのに、どう気をつけるって言うんだろう。ましてや男の人。
そりゃ、男だらけのところに女って1人いうのはそれはまずいことだって言うのはわかるけど…。

ダニエルだって、飢えだからしょうがないことだし。私じゃなくてもああなってるはずだし。そんな人達ではないと思うな…
…ちょっと遊ばれることは多いけど。

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