第37話
# 36
車の中
『 …ん、ん 』
「 起きた? 」
『 ど、こ…? 』
「 今帰ってる途中 」
『 …ん、 』
「 …少し散歩するか、 」
『 …、? 』
「 樹、海のとこ行って 」
樹「 え、もう夜ですけど… 」
「 少しくらいなら平気だろ、樹もついてくれば 」
樹「 わかりました。 」
海辺
「 ん、あなた(手出す) 」
『 ん、…(繋ぐ) 』
「 ねえ、あなた 」
『 …、? 』
「 …あ~、やっぱなんでもない 」
『 …(コク) 』
…まだ狙われてる事は言うの早いかな
『 (ギュ) 』
「 ん、?どした 」
『 (スリスリ) 』
「 どした、大丈夫だよ。 」
『 (コク) 』
そう言ったら離れたあなた。
なんか伝えたかったのかな
「 あなた、これ 」
『 ぬ、…いぐる…み、! 』
「 プレゼント 」
『 しろ、…くま 』
「 そ、しろくま。よく覚えたじゃん(撫でる) 」
菊池から渡されただけなんだけど
俺からって事にしておこ
『 …ん、 』
「 ん、笑 」
しろくまを抱き締めて
笑わないけど、少し顔が綻んだ気がした
樹「 健人さん 」
「 どした 」
樹「 俺の気のせいかもしれないんですけど… 」
「 なに 」
樹「 あそこで人影がこっちを見てた気がしたんですけど… 」
「 じゃあもう車戻るか 」
『 け、と…あぶ、な…! 』
「 ん、? 」
シュッ、
「 って…、 」
樹「 健人さん、!? 」
壁に突き刺さったナイフ
頬を擦り切れていった
『 け、と…っ、 』
「 大丈夫。少し切れただけ 」
『 け、… 』
「 あなた、触んないの。俺の血ついちゃうよ 」
『 っ、…けと 』
樹「 健人さんっ、もういなかったっす… 」
「 とりあえず、車ん中入ろ 」
樹「 はいっ、 」
車
「 あなたが何もないなら良かった、 」
『 い、た…い、? 』
「 平気、心配しないで 」
樹「 健人さんあれって… 」
「 まずは帰ろ、話はそれから 」
樹「 分かりました 」
♡×10